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普通養子縁組が成立すると、養子は養親の子としての法律上の地位を取得し、養親と養子の間には相互の扶養義務や相続関係が生じます。
一方、実親との親子関係は原則としてそのまま残ります。
この点が、原則として実方との親族関係が終了する「特別養子縁組」との大きな違いです。
普通養子縁組をするためには、民法上いくつかの要件があります。
まず、養親となる人は20歳以上でなければなりません。現在の成年年齢は18歳ですが、養親となることができる年齢については20歳以上とされているため、混同しないよう注意が必要です。
また、尊属や自分より年長の人を養子にすることはできません。
たとえば、年上の兄を年下の弟が養子にすることはできませんが、要件を満たしていれば、年上の兄が年下の弟を養子にすることは可能です。
配偶者がいる人が養子縁組をする場合には、原則として配偶者の同意も必要です。
さらに、配偶者がいる人が未成年者を養子にする場合には、原則として夫婦が共同で養親になります。ただし、配偶者の子を養子にする場合などには例外があります。
未成年者を普通養子にする場合には、原則として家庭裁判所の許可が必要です。
ただし、自分自身または配偶者の直系卑属、たとえば子や孫を養子にする場合には、原則として家庭裁判所の許可は必要ありません。
また、養子となる人が15歳未満の場合には、本人ではなく法定代理人が養子に代わって縁組を承諾します。
未成年者の普通養子縁組については、成人同士の養子縁組とは手続きが異なるため、事前に要件を確認しておくことが重要です。
普通養子縁組は、当事者が合意しただけでは成立せず、養子縁組届が市区町村に受理されることで法律上の効力が生じます。
届出先は、養親または養子の本籍地、または届出人の所在地にある市区町村役場です。
養子縁組届には、養親と養子など所定の届出人の署名に加えて、成年に達した証人2人の署名が必要です。
現在、戸籍届書への押印は任意となっているため、届出人や証人について一律に押印が必要というわけではありません。
また、2024年3月1日以降、戸籍情報の連携が開始されたことにより、日本国内の戸籍については、養子縁組届を提出する際に戸籍謄本を添付する必要は原則としてなくなっています。
窓口では、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類を求められます。未成年者の養子縁組で家庭裁判所の許可が必要な場合には、審判書謄本などの追加書類も必要です。
普通養子縁組の最も重要な特徴の一つが、養子と実親との法律上の親子関係が維持されることです。
そのため、普通養子になった後に実父や実母が亡くれた場合でも、養子は実親の「子」として第1順位の法定相続人になります。
養子縁組をしたという理由だけで、実親についての法定相続分が減ったり、相続権を失ったりすることはありません。
たとえば、実父が亡くなり、その相続人が実父の妻と普通養子となった子1人だけである場合には、原則として妻が2分の1、子が2分の1の法定相続分を持ちます。
普通養子となったことによって、この「子」としての地位が失われることはありません。
普通養子縁組が成立すると、養子は養親との関係でも法律上の「子」になります。
そのため、養親が亡くなった場合には、養子も第1順位の法定相続人です。
養親に実子がいる場合でも、原則として実子と養子の間で相続順位や法定相続分に差はありません。
たとえば、養親に実子1人と養子1人がおり、配偶者がいない状態で養親が亡くなった場合には、原則として実子と養子がそれぞれ2分の1ずつの法定相続分を持ちます。
「養子だから実子より少なくなる」という仕組みではありません。
ただし、実際に取得する財産は、遺言書の内容、遺産分割協議、相続放棄などによって法定相続分と異なる場合があります。
普通養子縁組では、相続関係だけでなく、実親との扶養関係も原則として維持されます。
養子と養親の間には新たに相互の扶養義務が生じますが、それによって実親と養子との扶養義務が当然に消滅するわけではありません。
したがって、普通養子縁組では、実親との法律関係を維持したまま、養親との新たな法律関係が加わると理解すると分かりやすいでしょう。
普通養子縁組について、法律上「一人につき1回まで」などの一律の回数制限が設けられているわけではありません。
そのため、要件を満たしていれば、既に普通養子縁組をしている人が別の人とさらに普通養子縁組をする場合もあります。先に成立した養親子関係について離縁していない場合には、複数の養親との法律上の親子関係が並存することがあります。
ただし、新たな養子縁組をしただけで、以前の養親との親子関係が自動的に解消されるわけではありません。以前の養親との関係を解消するには、別途、離縁の手続きが必要です。
また、短期間に養子縁組や離縁を繰り返している場合などには、戸籍上の氏の変更や相続上の利益だけを目的とした形式的な縁組ではないかなど、実際に養親子関係を成立させる意思があるかを確認されることがあります。
したがって、「回数制限がない」ということは、目的を問わず自由に何度でも形式的な養子縁組ができるという意味ではありません。
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大山悠太
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