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ご家族間での話し合い、情報共有は重要
財産調査とは、遺言者が持っている財産や負債を確認する作業です。
財産目録とは、調査した財産を一覧にまとめた書類です。
遺言書は、誰にどの財産を相続させるか、または遺贈するかを決める重要な書類です。
そのため、財産内容を正確に把握しないまま遺言書を作成すると、財産の記載漏れ、相続人間の不公平、遺留分トラブル、相続税の見落とし、借金の発覚などにつながる可能性があります。
特に、遺言書に記載されていない財産が後から見つかった場合、その財産について相続人全員で遺産分割協議が必要になることがあります。
また、マイナスの財産を把握していないと、相続開始後に相続人が相続放棄を検討する時間を失ってしまう可能性もあります。
遺言作成時の財産調査とは、遺言者が持っている財産を確認し、整理する作業です。
相続開始後に行う財産調査は、被相続人が亡くなった時点の遺産を確認するために行います。
一方、遺言作成時の財産調査は、生前の段階で、自分の財産を把握し、遺言書に正しく反映させるために行います。
遺言者本人であっても、すべての財産を正確に把握しているとは限りません。
長年使っていない銀行口座、昔購入した株式、共有持分のある不動産、貸金庫、生命保険、借入金、保証債務など、整理してみて初めて分かる財産もあります。
財産調査では、預貯金や不動産などのプラス財産だけでなく、借金やローンなどのマイナス財産も確認します。
相続では、プラス財産だけでなく、借金や未払金などの義務も承継される可能性があります。
そのため、遺言書を作成する際に負債を把握していないと、相続開始後に相続人が困ることがあります。
たとえば、遺言書で長男に不動産を相続させると書いていても、その不動産に住宅ローンや抵当権が残っている場合、実際の負担を考慮する必要があります。
また、相続開始後に多額の借金が判明すると、相続人が相続放棄を検討することになります。
相続放棄には原則3か月の期限があるため、相続人が判断しやすいように、生前から負債も整理しておくことが重要です。
財産目録とは、遺言者が持っている財産を一覧にまとめた書類です。
財産目録には、預貯金、不動産、有価証券、自動車、貴金属、保険、貸金庫、借入金などを整理して記載します。
財産目録を作成すると、遺言書にどの財産を記載すべきか分かりやすくなります。
また、公正証書遺言を作成する際にも、公証人や専門家との打ち合わせがスムーズになります。
自筆証書遺言では、本文は遺言者本人が自書する必要があります。
ただし、財産目録については、パソコンで作成したものを添付することができます。
通帳のコピーや登記事項証明書を財産目録として添付することも可能です。
ただし、自書によらない財産目録を添付する場合は、各ページに署名押印が必要です。
財産目録だけをパソコンで作成できるからといって、遺言本文までパソコンで作成できるわけではありません。
財産目録は、一度作成して終わりではありません。
預貯金の残高は変わります。
不動産を売却することもあります。
新しい口座を開設したり、有価証券を購入したり、借入金を返済したりすることもあります。
そのため、遺言書を作成した後も、財産目録は定期的に見直しましょう。
財産内容が大きく変わった場合は、遺言書自体の見直しも必要になることがあります。
預貯金は、財産目録に必ず記載したい代表的な財産です。
金融機関名、支店名、預金種別、口座番号、残高などを整理します。
同じ金融機関でも、支店が異なる場合があります。
普通預金、定期預金、外貨預金など、種類が複数ある場合もあります。
通帳、キャッシュカード、金融機関からの郵便物、インターネットバンキングの情報を確認しましょう。
不動産も、遺言書作成時に重要な財産です。
土地、建物、マンション、共有持分、私道持分、農地、山林などを確認します。
不動産は、住所ではなく、登記事項証明書に記載された所在、地番、家屋番号などで特定します。
自宅や貸金庫などに保管している現金も財産です。
現金は、預貯金と異なり記録が残りにくいため、相続開始後に存在や金額をめぐって争いになることがあります。
多額の現金を保管している場合は、財産目録に記載しておくことを検討しましょう。
株式、投資信託、債券、ETF、外貨建て商品なども財産目録に記載します。
証券会社名、支店名、口座番号、銘柄、数量、評価額などを整理します。
近年はネット証券を利用している方も多く、相続人が口座の存在に気付かないことがあります。
ログイン情報そのものを遺言書に書くことはおすすめできませんが、どの証券会社に口座があるかは分かるようにしておくとよいでしょう。
自動車、バイク、貴金属、時計、美術品、骨董品、ゴルフ会員権なども、財産価値がある場合は財産目録に記載します。
特に高価な動産は、相続人間で形見分けや売却をめぐって争いになることがあります。
誰に取得させたいかを遺言書で指定する場合は、できるだけ具体的に特定しましょう。
住宅ローン、自動車ローン、カードローン、事業資金の借入れなどは、マイナス財産として確認します。
借入先、契約番号、残高、返済状況、担保の有無、保証人の有無などを整理しましょう。
住宅ローンについては、団体信用生命保険が付いているかどうかも確認します。
団体信用生命保険がある場合、死亡によりローンが完済されることがあります。
クレジットカードの利用残高、リボ払い、分割払い、未払税金、未払医療費、未払家賃、施設利用料なども確認します。
これらは相続開始後に請求書が届いて初めて判明することがあります。
遺言書を作成する段階で、毎月の支払い状況や契約内容を整理しておくと、相続人が対応しやすくなります。
保証債務は、相続人が把握しにくい負債の一つです。
被相続人が誰かの借金の保証人や連帯保証人になっている場合、その保証債務が相続で問題になることがあります。
特に、事業をしている方や会社経営者は、会社の借入れについて個人保証をしていることがあります。
保証債務は、実際に請求されるまで表面化しないこともあるため、契約書や金融機関との書類を確認しましょう。
遺言書作成時に財産調査をする最大の理由は、財産の記載漏れを防ぐためです。
遺言書に記載されていない財産があると、その財産については遺言書で承継先が決まっていないことになります。
その場合、相続人全員で遺産分割協議をしなければならない可能性があります。
せっかく遺言書を作成しても、記載漏れの財産があるために相続人同士の話し合いが必要になると、遺言書を作った意味が薄れてしまいます。
これを防ぐためには、財産調査を行い、遺言書に「その他一切の財産」の承継先も記載しておくことが重要です。
財産調査をしないまま遺言書を作成すると、財産の価値や負担を正確に反映できないことがあります。
たとえば、長男に不動産を相続させ、長女に預貯金を相続させる内容にした場合でも、不動産に抵当権や修繕費負担があると、実質的な価値は大きく変わります。
また、不動産の評価額が想定より高い場合、他の相続人の遺留分を侵害する可能性もあります。
財産調査によって、各財産の価値や負担を把握することで、相続人間の不公平や争いを防ぎやすくなります。
遺言書にプラス財産だけを書いていても、借金やローンが残っている場合があります。
相続開始後に多額の負債が判明すると、相続人は相続放棄や限定承認を検討する必要があります。
しかし、相続放棄には原則3か月の期限があります。
負債の存在を相続人が知らないまま時間が経過すると、対応が難しくなることがあります。
遺言書作成時に負債も整理しておくことで、相続人が早めに判断しやすくなります。
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