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ご家族間での話し合い、情報共有は重要
しかし、遺言書は家族のためだけに作成するものではありません。一定の方式を満たしていれば、家族以外の人に財産を遺すこともできます。これを「遺贈」といいます。
ただし、家族以外の人に財産を遺す場合は、通常の相続とは異なる注意点があります。
相続人の遺留分、相続税の2割加算、不動産の名義変更、遺言執行者の指定、受遺者への事前確認などを考えておかないと、かえって受け取る人に負担をかけてしまうことがあります。
法律上、財産を承継できるのは相続人だけではありません。遺言書を作成すれば、相続人以外の人にも財産を遺すことができます。たとえば、次のような相手に財産を遺すことが考えられます。
友人
恩人
内縁の配偶者
事実婚のパートナー
近所で世話をしてくれた人
介護施設
医療機関
NPO法人
公益法人
ボランティア団体
学校法人
宗教法人
このように、財産を遺す相手は、必ずしも法定相続人に限られません。家族以外の人に財産を遺したい場合は、遺言書を作成し、その中で「遺贈する」と明確に記載することが重要です。
遺言書がない場合、財産は法律で定められた相続人が承継します。友人、内縁の配偶者、お世話になった人、施設の職員、ボランティア団体などは、原則として法定相続人にはなりません。
そのため、どれだけ親しい関係であっても、遺言書がなければ財産を受け取れない可能性があります。
特に、内縁の配偶者や事実婚のパートナーは、長年一緒に生活していても、法律上の配偶者でなければ法定相続人にはなりません。
その方に財産を残したい場合は、遺言書を作成しておく必要があります。
相続人が被相続人の財産を承継することを「相続」といいます。一方、遺言書によって相続人以外の人が財産を取得することを「遺贈」といいます。たとえば、次のような違いがあります。
長男に自宅を残す:相続
友人に預貯金を残す:遺贈
内縁の配偶者にマンションを残す:遺贈
NPO法人に寄付する:遺贈
お世話になった施設に財産を寄付する:遺贈
遺贈の場合、相続と手続き方法や必要書類が異なることがあります。特に、不動産を遺贈する場合は、登記手続きで注意が必要です。
相続人以外の人に財産を遺す場合、遺言書には「相続させる」ではなく「遺贈する」と記載します。
相続人ではない人に対して「相続させる」と書くと、文言として不適切になる可能性があります。
後日の手続きで混乱しないよう、遺言書の表現は専門家に確認してもらうことをおすすめします。
身寄りがない方や、親族と疎遠な方の中には、近所の方、友人、介護を手伝ってくれた人などに財産を遺したいと考える方がいます。
法律上の相続人ではなくても、遺言書で遺贈することにより、財産を渡すことができます。
ただし、相手方がその財産を受け取る意思があるか、税金や手続きの負担に対応できるかも確認しておくことが大切です。
内縁の配偶者や事実婚のパートナーは、原則として法定相続人ではありません。そのため、遺言書がない場合、相手に財産を残すことが難しくなります。
一緒に住んでいる自宅が被相続人名義の場合、遺言書がなければ、残されたパートナーが住み続けられなくなる可能性もあります。
内縁の配偶者や事実婚のパートナーに自宅や預貯金を残したい場合は、公正証書遺言を作成し、遺言執行者も指定しておくことをおすすめします。
長年親しくしてきた友人に、感謝の気持ちとして財産を遺したい場合もあります。
現金や預貯金の一部であれば比較的手続きしやすいことがありますが、不動産や株式などを遺贈する場合は、手続きが複雑になることがあります。
また、相続人がいる場合、友人への遺贈に対して相続人が不満を持つ可能性もあります。そのため、遺言書には付言事項を入れて、なぜ友人に財産を遺すのかを丁寧に説明しておくとよいでしょう。
医療機関、福祉施設、NPO法人、公益法人、ボランティア団体などに財産を寄付したい場合は、遺言書で遺贈寄付をすることができます。
遺贈寄付は、人生最後の社会貢献として利用されることがあります。
ただし、団体によっては、受け入れ可能な財産の種類や手続きが異なります。
不動産や動産は受け入れていない団体もあります。
そのため、遺贈寄付を希望する場合は、遺言書を作成する前に、寄付先へ受け入れ可否や必要な手続きについて確認しておくことが重要です。
遺贈寄付とは、遺言書によって、自分の財産を団体や法人に寄付する方法です。たとえば、次のような団体が寄付先として考えられます。
NPO法人
公益社団法人
公益財団法人
社会福祉法人
学校法人
医療法人
国際支援団体
動物保護団体
地域活動団体
自分が大切にしてきた価値観や活動を、死後も支援したいという思いから、遺贈寄付を選ぶ方がいます。
遺贈寄付をする場合、寄付先に事前確認をしておくことが大切です。確認すべき主な点は次のとおりです。
遺贈寄付を受け入れているか
現金以外の財産も受け入れているか
不動産の寄付が可能か
受け入れに必要な書類
遺言書に記載すべき法人名
寄付金の使途指定ができるか
担当窓口
税務上の取扱い
団体名を誤って記載すると、遺言執行時に手続きが進まないことがあります。正式名称、所在地、代表者名などを確認しておきましょう。
相続人に配偶者、子ども、父母などがいる場合、遺留分に注意が必要です。
遺留分とは、一定の相続人に保障された最低限の取り分です。
家族以外の人に多くの財産を遺贈すると、相続人の遺留分を侵害する可能性があります。
遺留分を侵害する遺言書であっても、遺言書自体が当然に無効になるわけではありません。
しかし、相続開始後に相続人から遺留分侵害額請求を受ける可能性があります。
その結果、受遺者が金銭の支払いを求められることがあります。
家族以外の人に財産を遺す場合は、遺留分額を確認し、遺留分侵害額請求を受けた場合の対応も考えておきましょう。
相続人以外の人が遺贈により財産を取得した場合、相続税が発生することがあります。
さらに、被相続人の配偶者、一親等の血族などではない人が財産を取得する場合、相続税額が2割加算されることがあります。
つまり、友人や団体、内縁の配偶者などに財産を遺す場合、税務上の負担が大きくなる可能性があります。
せっかく感謝の気持ちで財産を遺しても、受け取る側が税金の支払いに困ることがあります。
財産額が大きい場合や不動産を遺贈する場合は、税理士にも相談しておくことをおすすめします。
家族以外の人に不動産を遺贈する場合は、特に注意が必要です。
不動産を遺贈する場合、登記手続きが必要になります。
遺言執行者が指定されていないと、相続人全員の協力が必要になることがあります。
しかし、相続人が受遺者への遺贈に反対している場合、協力が得られず手続きが進まないことがあります。
そのため、家族以外の人に不動産を遺贈する場合は、公正証書遺言を作成し、遺言執行者を指定しておくことが重要です。
遺贈は、受け取る人にとって必ずしもメリットだけとは限りません。たとえば、次のような負担が発生することがあります。
相続税の負担
不動産の固定資産税
建物の管理費
登記費用
売却手続きの負担
相続人とのやり取り
遺留分侵害額請求への対応
相手に良かれと思って財産を遺しても、かえって迷惑になる場合があります。遺贈する財産の種類や金額は、受け取る側の負担も考えて決めることが大切です。
家族以外の人に財産を遺す場合は、遺言執行者の指定を強くおすすめします。
遺言執行者がいれば、遺言書の内容に従って財産承継手続きを進めやすくなります。
特に、相続人以外の人への遺贈、不動産の遺贈、団体への寄付がある場合は、遺言執行者がいないと手続きが滞る可能性があります。
行政書士などの専門家を遺言執行者に指定しておくことで、相続開始後の手続きをスムーズに進めやすくなります。
家族以外の人に財産を遺す場合は、公正証書遺言をおすすめします。
自筆証書遺言でも遺贈は可能ですが、形式や内容に不備があると、相続開始後に手続きが進まないことがあります。
特に、相続人以外への遺贈は、相続人が不満を持ちやすい場面です。
遺言書の有効性を争われるリスクを減らすためにも、公証人が関与する公正証書遺言の方が安心です。
公正証書遺言では、遺言執行者の指定も明確に記載できます。
家族以外の人に財産を遺す場合、遺言執行者が非常に重要です。
遺言執行者が指定されていれば、受遺者が相続人と直接やり取りする負担を減らしやすくなります。
相続人が協力しない場合でも、遺言執行者が手続きを進めることで、遺贈の実現がしやすくなります。
公正証書遺言を作成する段階で、専門家に相談しておけば、受け取る側の負担も考えた内容にしやすくなります。
たとえば、不動産ではなく預貯金を遺贈する、税金の負担を考慮する、遺留分侵害額請求のリスクを減らす、遺言執行者を指定するなどの対策が考えられます。
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