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遺言書は、15歳に達した人であれば作成することができます。遺言書は、自分が亡くなった後に、財産を誰へどのように承継させるかを決めるための大切な書類です。
しかし、目が見えない方や視覚に不自由がある方からは、次のようなご相談をいただくことがあります。
結論からいうと、目が見えない方でも公正証書遺言を作成することは可能です。
自筆証書遺言の場合は、遺言者本人が本文、日付、氏名を自書する必要があるため、視覚に不自由がある方には作成が難しい場合があります。
一方、公正証書遺言であれば、遺言書本文を本人が手書きする必要はありません。
公証人が遺言内容を公正証書として作成し、その内容を読み聞かせることで、遺言者が内容を確認できます。
また、遺言者が署名できない場合には、公証人がその事情を付記して署名に代えこともできます。
目が見えないことや視覚に不自由があることは、公正証書遺言を作成できない理由にはなりません。
遺言書を作成するうえで重要なのは、遺言者本人が遺言内容を理解し、自分の意思で遺言していることです。
視覚に不自由があっても、遺言内容を理解し、意思を伝えることができれば、公正証書遺言を作成できます。
自筆証書遺言では、原則として遺言者本人が遺言書本文を自書しなければなりません。
しかし、公正証書遺言では、公証人が遺言者の意思に基づいて遺言書を作成します。
そのため、遺言者本人が長い文章を書く必要はありません。
目が見えない方や、文字を書くことが難しい方にとって、公正証書遺言は利用しやすい方法です。
視覚に不自由がある方の場合、自筆証書遺言の作成は難しくなることがあります。自筆証書遺言では、次のような点が問題になります。
遺言書本文を自書する必要がある
日付や氏名を自書する必要がある
書いた内容を自分の目で確認しにくい
誤字や脱字に気付きにくい
財産の記載ミスが起こりやすい
訂正方法を誤ると無効リスクがある
相続開始後に内容が争われる可能性がある
視覚障がいがある方が無理に自筆証書遺言を作成すると、方式不備や内容不明確のリスクが高くなる可能性があります。そのため、視覚に不自由がある方には、公正証書遺言で作成することをおすすめします。
公正証書遺言では、公証人が遺言内容を読み聞かせます。目が見えない方でも、耳で内容を確認できます。
また、事前に専門家と文案を整理しておけば、当日の読み聞かせで、内容が事前に確認したものと合っているかを確認しやすくなります。
必要に応じて、音声読み上げソフトや録音した文案を利用して、内容確認を補助する方法も考えられます。
ただし、このような方法を使いたい場合は、必ず事前に公証役場へ相談しておく必要があります。
公正証書遺言は、民法で定められた方式に従って作成します。基本的な流れは、次のとおりです。
証人2人以上が立ち会う
遺言者が遺言の趣旨を公証人に伝える
公証人が遺言内容を筆記する
公証人が遺言者と証人に読み聞かせ、または閲覧させる
遺言者と証人が内容に間違いないことを承認する
遺言者と証人が署名押印する
公証人が方式に従って作成した旨を付記し、署名押印する
目が見えない方の場合、閲覧による確認は難しいことがあります。しかし、読み聞かせによって内容確認を行うことができます。
公正証書遺言では、公証人が筆記した内容を「読み聞かせ、又は閲覧させる」こととされています。
つまり、必ずしも遺言者が自分の目で書面を確認しなければならないわけではありません。
目が見えない方の場合は、公証人による読み聞かせによって、遺言内容を確認できます。
遺言者は、読み上げられた内容を聞き、内容に間違いがないことを確認したうえで承認します。
公正証書遺言では、遺言者と証人が署名押印する必要があります。
しかし、遺言者が目が見えず署名位置が分からない場合や、身体状況により署名が難しい場合があります。
この場合、まずは署名位置を分かりやすくする工夫が考えられます。
たとえば、定規やガイドを使って署名欄を示し、本人が署名できるようにする方法です。
本人が署名できる場合は、多少文字が乱れていても、自分で署名する方が望ましいです。
一方、どうしても署名できない場合には、公証人がその事由を付記して署名に代えることができます。
この点も、公正証書遺言が視覚障がいのある方に適している理由の一つです。
目が見えない方が公正証書遺言を作成する場合は、必ず事前に公証役場へ事情を伝えておきましょう。
伝えるべき内容は、たとえば次のようなものです。
目が見えないこと
文字を読むことが難しいこと
署名はできるか
押印はできるか
公証役場へ行けるか
自宅・病院・施設への出張が必要か
読み聞かせ以外に補助方法を使いたいか
音声読み上げソフトなどを利用したいか
公証役場が事前に事情を把握していれば、当日の進行を調整しやすくなります。当日になって急に説明しても、十分な対応が難しい場合があります。
公正証書遺言を作成する前に、遺言内容を整理しておきましょう。視覚に不自由がある方の場合、家族や専門家にサポートしてもらいながら、文案を作成し、音声で確認できるようにしておくと安心です。
確認すべき内容は、たとえば次のとおりです。
誰にどの財産を残すか
自宅を誰に相続させるか
預貯金を誰に残すか
相続人以外に遺贈する人がいるか
遺言執行者を指定するか
付言事項を入れるか
遺留分に配慮する必要があるか
事前に内容を整理しておくことで、公証人との打ち合わせがスムーズになります。
公正証書遺言を作成する際には、一般的に次のような書類が必要です。
遺言者の本人確認書類
印鑑登録証明書
遺言者と相続人の関係が分かる戸籍謄本
受遺者の住民票など
不動産の登記事項証明書
固定資産評価証明書
預貯金や有価証券の資料
遺言執行者の情報
証人に関する情報
必要書類は、遺言内容や公証役場によって異なることがあります。事前に確認しておきましょう。
公正証書遺言では、証人2名以上の立会いが必要です。
証人には欠格事由があります。
推定相続人、受遺者、その配偶者や直系血族などは証人になれません。
証人を自分で用意できない場合は、公証役場や専門家に相談して手配する方法もあります。
目が見えない方の場合、署名欄の位置が分かりにくいことがあります。本人が署名できる場合は、署名位置を示す方法を事前に確認しておきましょう。
たとえば、次のような方法が考えられます。
定規をあてる
署名欄にガイドを置く
手元を案内してもらう
署名練習をしておく
押印位置を分かりやすくする
ただし、本人が署名できない場合は、公証人による署名代替の方法を検討します。署名ができるかどうかは、事前に公証役場へ伝えておきましょう。
作成当日は、公証人が遺言書の内容を読み上げます。
遺言者は、その内容を聞き、事前に整理した内容と一致しているかを確認します。
分からない点や修正したい点があれば、その場で確認できます。
公証人の読み上げだけでは不安な場合、事前に公証役場と相談したうえで、音声読み上げソフトや音声データを補助的に使うことも考えられます。
たとえば、事前に作成した遺言案を音声で確認し、当日の公証人の読み聞かせ内容と照らし合わせる方法です。
ただし、公正証書遺言の正式な確認は、公証人による読み聞かせなど法律上の方式に従って行われます。
補助的な機器を利用する場合でも、必ず事前に公証人の了承を得ておきましょう。
内容確認後、遺言者と証人が署名押印します。
目が見えない方でも、署名できる場合は、署名位置を案内してもらいながら自分で署名できます。
どうしても署名できない場合は、公証人がその事由を付記して署名に代えることができます。
押印についても、位置を案内してもらいながら行うことができます。
目が見えないことと、遺言能力は別の問題です。
目が見えない方でも、遺言内容を理解し、自分の意思で判断できる状態であれば、公正証書遺言を作成できます。
一方で、認知症などにより遺言内容を理解できない場合は、公正証書遺言の作成が難しくなることがあります。
高齢の方や病気療養中の方の場合は、必要に応じて医師の診断書を準備することも検討しましょう。
視覚に不自由がある方の場合、書類の確認や資料準備を家族がサポートすることがあります。
これは必要なことですが、遺言内容そのものは遺言者本人の意思でなければなりません。
特定の家族が強く関与しすぎると、相続開始後に「本人の意思ではなかったのではないか」と争われる可能性があります。
専門家や公証人を交えながら、本人の意思を明確に確認できる形で進めることが重要です。
目が見えない方の場合、書面を目で確認できない分、内容確認の方法を工夫する必要があります。
公証人の読み聞かせに加えて、事前に音声で文案を確認しておく、家族や専門家と内容を整理しておく、当日にゆっくり読み上げてもらうなどの方法が考えられます。
不安がある場合は、公証役場に事前に相談しましょう。
署名できるかどうかは、当日の進行に関わります。目が見えなくても署名できる方は多くいます。
しかし、署名欄の位置が分からない場合や、手が不自由な場合は、サポートが必要になることがあります。
どうしても署名できない場合は、公証人による署名代替が可能です。
いずれにしても、署名については事前に公証役場へ伝えておきましょう。
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