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遺言書は何歳から作成できますか?

初めに

ご家族間での話し合い、情報共有は重要

遺言書というと、かなり高齢になってから作成するものというイメージを持つ方が少なくありません。

実際に、遺言書の相談は70代以降の方から多く寄せられます。

しかし、法律上は、15歳に達した人であれば遺言をすることができます。

つまり、遺言書は「何歳以上でなければ作れない」というものではなく、判断能力が十分にあるうちに作成しておくべきものです。

特に、相続人が複数いる場合、不動産がある場合、特定の相続人に多く残したい場合、相続人以外の人に財産を残したい場合、再婚している場合、子どもがいない場合などは、早めに準備しておくべきです。

遺言書は、一度作成したら一生変更できないものではありません。

財産内容や家族関係、考え方が変わった場合には、後から作り直すこともできます。

遺言書は何歳から作成できるのか

15歳に達すれば遺言できる

民法では、15歳に達した人は遺言をすることができると定められています。

そのため、法律上は、15歳以上であれば遺言書を作成できます。

未成年者であっても、15歳に達していれば、親の同意なく遺言をすることが可能です。

もっとも、実際には若い時期に遺言書を作成する方は多くありません。

若い世代では、相続や死後の財産承継を具体的に考える機会が少ないためです。

相談が多いのは70代以降

実務上、遺言書のご相談が増えるのは、70代以降です。

この年代になると、健康状態、相続人の生活状況、介護、認知症、相続税、不動産の承継などを具体的に考える機会が増えます。

また、周囲で相続トラブルを経験した人の話を聞き、自分も遺言書を作っておこうと考える方もいます。

ただし、70代以降になってから初めて遺言書を作成する場合、すでに判断能力や体力に不安が出ていることもあります。

そのため、理想としては、元気なうちに一度作成しておくことが大切です。

遺言書と遺書は違う

遺言書は法律上の効力を持つ文書

遺言書と遺書は、混同されることがあります。

しかし、この2つはまったく違います。

遺言書は、法律で定められた方式に従って作成することで、財産承継などについて法的効力を持つ文書です。

誰にどの財産を相続させるか、誰に遺贈するか、遺言執行者を誰にするかなどを定めることができます。

遺書は家族へのメッセージ

一方、遺書は、家族や大切な人へ気持ちを伝えるための手紙のようなものです。

感謝の気持ち、謝罪、最後のメッセージ、人生の振り返りなどを書くことがあります。

遺書には、原則として遺言書のような法的効力はありません。

財産の分け方を確実に決めたい場合は、遺書ではなく、法律上有効な遺言書を作成する必要があります。

早めに遺言書を書くべき理由

判断能力があるうちに作成できる

遺言書を作成するには、遺言内容を理解し、自分の意思で判断できる能力が必要です。

認知症が進行し、遺言内容を理解できない状態になってからでは、有効な遺言書を作成できません。

身体が不自由になっても、判断能力があれば公正証書遺言を作成できる場合があります。

しかし、判断能力が失われてしまうと、遺言書作成そのものが難しくなります。

そのため、認知症や判断能力の低下が心配になる前に、早めに作成しておくことが重要です。

家族の相続手続きが楽になる

遺言書がない場合、相続人全員で遺産分割協議を行う必要があります。

相続人が複数いる場合、誰がどの財産を取得するかを話し合わなければなりません。

これには時間も労力もかかります。

さらに、相続人の一人が認知症になっていたり、疎遠だったり、海外に住んでいたりすると、手続きはさらに難しくなります。

遺言書を作成しておけば、財産の分け方が明確になり、残された家族の負担を大きく減らせます。

特定の相続人に多く残せる

法律上、相続人には法定相続分があります。

しかし、実際の家族関係では、単純に法定相続分どおりに分けることが必ずしも公平とは限りません。

たとえば、次のようなケースです。

同居して介護してくれた子どもに多く残したい

家業を継ぐ子どもに事業用財産を残したい

障がいのある子どもの生活を守りたい

配偶者の住まいを確保したい

疎遠な相続人には少なくしたい

このような希望がある場合、遺言書を作成することで、法定相続分とは異なる分け方を指定できます。

ただし、遺留分には注意が必要です。

相続人以外の人にも財産を残せる

遺言書を作成すれば、相続人以外の人に財産を残すこともできます。

たとえば、次のような人です。

内縁の配偶者

事実婚のパートナー

お世話になった人

友人

団体や法人

相続人以外の人は、法律上当然に相続する権利を持っていません。そのため、相続人以外の人に財産を残したい場合は、遺言書の作成が特に重要です。

認知症になる前に遺言書を作成すべき理由

遺言能力が必要

遺言書は、形式さえ整っていれば必ず有効になるわけではありません。

遺言者には、遺言をする時点で遺言能力が必要です。

遺言能力とは、自分がどのような財産を持ち、誰にどのように残すのかを理解し、判断できる能力のことです。

認知症がある場合でも、必ず遺言書が無効になるわけではありません。

しかし、認知症が進行し、遺言内容を理解できない状態で作成された遺言書は、後から無効とされる可能性があります。

判断能力の低下後は争いになりやすい

遺言書を作成した時点で認知症が疑われる場合、相続開始後に相続人から次のような主張をされることがあります。

「遺言者は内容を理解していなかった」

「特定の相続人に誘導されて書いた」

「本人の意思ではなかった」

「遺言能力がなかった」

このような争いを防ぐためにも、判断能力が十分なうちに遺言書を作成しておくことが大切です。

高齢になってから作成する場合は、公正証書遺言にし、必要に応じて医師の診断書や作成時の記録を残しておくと安心です。

遺言書は一度作ったら変更できないのか

遺言書は何度でも作り直せる

遺言書は、一度作成したら変更できないものではありません。

遺言者は、いつでも遺言の全部または一部を撤回できます。

家族関係、財産内容、気持ちが変わった場合には、新しい遺言書を作成することができます。

後に作成した遺言書の内容が前の遺言書と矛盾する場合、その矛盾する部分については、後の遺言書が優先されます。

そのため、「今作っても、将来気持ちが変わったらどうしよう」と不安に思いすぎる必要はありません。

早く作って定期的に見直すことが大切

遺言書は、早めに一度作成し、その後に状況が変われば見直すという考え方が現実的です。

たとえば、次のような場合は見直しを検討しましょう。

不動産を売却した

新しい不動産を取得した

預貯金や有価証券の内容が大きく変わった

相続人が亡くなった

結婚・離婚・再婚があった

孫が生まれた

介護してくれる人が変わった

遺言執行者を変更したい

相続人との関係が変わった

遺言書は、作成して終わりではなく、現在の意思と財産状況に合っているかを定期的に確認することが重要です。

この記事の監修者

行政書士法人クローバー法務事務所代表行政書士 大山悠太

監修者

行政書士法人クローバー法務事務所

代表行政書士

大山悠太

経歴

プロフィール
【経歴】
 
2016年4月:同志社大学法学部法律学科卒業後、新卒で不動産デベロッパーへ入社。入社後はマンション売買営業、人事部で新卒採用業務に従事。
 
2017年11月:行政書士試験合格
 
2019年5月:退職後、リンクス綜合法務行政書士オフィス開業
 
2023年1月:行政書士法人クローバー法務事務所へ法人化
 
【保有資格】
 
TOEIC745
 
宅地建物取引士
 
行政書士(申請取次)
 
ビジネス実務法務検定2級
 
【日本行政書士連合会登録番号】
第19261116号

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