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遺言で生命保険の受取人を変更できる?

初めに

ご家族間での話し合い、情報共有は重要

生命保険に加入している方の中には、保険金の受取人を変更したいと考える方がいます。

保険法では、保険金受取人の変更は、遺言によってもできると定められています。

ただし、遺言による受取人変更には注意点があります。

遺言に書いたからといって、相続開始後に自動的に保険会社が新しい受取人へ保険金を支払ってくれるわけではありません。

遺言の効力が発生した後、保険契約者の相続人が保険会社に通知する必要があります。

また、保険会社の約款によっては、受取人に指定できる人の範囲が決められていることがあります。

そのため、遺言で生命保険の受取人を変更する場合は、保険契約の内容、保険会社の取扱い、相続開始後の通知手続き、遺言執行者の指定などを慎重に確認する必要があります。

遺言で生命保険の受取人を変更できる

保険法で認められている

生命保険の受取人変更は、通常、保険契約者が保険会社に対して手続きを行うことで変更します。

しかし、保険法では、保険金受取人の変更は遺言によってもできると定められています。

つまり、遺言書の中に生命保険の受取人を変更する内容を書いておくことで、保険金受取人を変更できる可能性があります。

たとえば、現在の受取人が長男になっている生命保険について、遺言で長女を受取人に変更することが考えられます。

また、保険契約や保険会社の取扱い上認められる範囲であれば、相続人以外の人を受取人に変更できる場合もあります。

遺言で変更しても保険会社への通知が必要

遺言で生命保険の受取人を変更する場合に、特に注意すべき点があります。

それは、相続開始後に保険会社への通知が必要になるということです。

保険法では、遺言による保険金受取人の変更は、遺言の効力が発生した後、保険契約者の相続人が保険会社に通知しなければ、保険会社に対抗できないとされています。

つまり、遺言書に受取人変更を書いただけでは不十分です。

相続開始後、速やかに保険会社へ通知し、保険会社に受取人変更を認識してもらう必要があります。

遺言による生命保険の受取人変更の書き方

保険契約を特定する

遺言で生命保険の受取人を変更する場合は、どの保険契約について受取人を変更するのかを明確に記載する必要があります。

生命保険に複数加入している場合、記載が曖昧だと、どの契約を指しているのか分からなくなる可能性があります。

遺言書には、できるだけ次のような情報を記載しましょう。

保険会社名

保険種類

証券番号

契約者

被保険者

現在の受取人

変更後の受取人

変更後の受取人の住所・氏名・生年月日・続柄

保険証券を確認しながら、正確に記載することが大切です。

内縁の妻やお世話になった人を指定できる場合もある

保険会社や保険商品によっては、親族以外の人を受取人に指定できる場合があります。

たとえば、次のような人です。

内縁の妻

内縁の夫

事実婚のパートナー

長年介護してくれた人

お世話になった知人

特定の団体

ただし、すべての保険会社で認められるわけではありません。また、第三者を受取人にする場合は、保険会社が事情を確認することがあります。

相続人以外の人を受取人にしたい場合は、遺言書を作成する前に、必ず保険会社へ確認することをおすすめします。

遺言による生命保険の受取人変更で起こりやすいトラブル

通知が間に合わず旧受取人に支払われる

遺言で受取人を変更していても、保険会社への通知が遅れると、旧受取人に保険金が支払われてしまう可能性があります。

保険会社が変更前の受取人から請求を受け、受取人変更の通知を受ける前に保険金を支払った場合、その支払いをめぐって新旧受取人の間でトラブルになることがあります。

新受取人は、旧受取人に対して保険金の引渡しを求めることになる可能性がありますが、話し合いで解決できなければ訴訟になることもあります。

遺言書に生命保険の受取人変更が書かれていることが分かったら、できるだけ早く保険会社へ通知することが重要です。

相続人が通知に協力しない

遺言で相続人以外の第三者が受取人に変更されている場合、相続人が納得しないことがあります。

たとえば、内縁の妻、友人、お世話になった人、団体などが新受取人に指定されている場合です。

保険法上、遺言による受取人変更を保険会社に対抗するには、保険契約者の相続人による通知が必要です。

そのため、相続人が通知に協力しないと、手続きが複雑になる可能性があります。

このようなトラブルを避けるためには、遺言執行者を指定しておくことが重要です。

遺言書の有効性が争われる

生命保険の受取人変更を含む遺言書について、旧受取人や相続人から無効を主張されることがあります。

たとえば、次のような主張です。

遺言書の方式に不備がある

遺言者に遺言能力がなかった

遺言書が偽造された

遺言内容が不明確である

第三者に誘導されて作成された

どの保険契約を指しているか分からない

遺言書が無効と判断されると、生命保険の受取人変更も効力を生じません。生命保険の受取人変更を遺言で行う場合は、遺言書そのものの有効性を高めることが重要です。

保険会社の約款上、受取人にできない人を指定している

遺言書で第三者を受取人に指定していても、保険会社の約款上、その人を受取人にできない場合があります。

この場合、遺言に書いた内容どおりに受取人変更が認められない可能性があります。

特に、親族以外の第三者や団体を受取人にしたい場合は注意が必要です。

遺言書を作成する前に、保険会社に確認しましょう。

トラブルを防ぐ方法

できれば生前に受取人変更をしておく

生命保険の受取人を変更したい場合、最も確実なのは、生前に保険会社で受取人変更手続きをしておくことです。

生前に手続きしておけば、相続開始後に相続人が保険会社へ通知する必要がありません。

また、旧受取人に先に保険金が支払われるリスクも減らせます。

受取人変更の方法は保険会社ごとに異なるため、まずは保険会社へ問い合わせましょう。

遺言執行者を指定する

遺言で生命保険の受取人を変更する場合は、遺言執行者を指定しておくことをおすすめします。

遺言執行者は、遺言の内容を実現するために必要な手続きを行う人です。

生命保険の受取人変更が遺言に含まれている場合、遺言執行者が相続開始後に速やかに保険会社へ連絡し、必要書類の確認や通知手続きを進めることが期待できます。

特に、相続人以外の第三者を新受取人にする場合は、相続人の協力が得られない可能性があります。

そのため、専門家を遺言執行者に指定しておくと安心です。

公正証書遺言で作成する

生命保険の受取人変更を遺言で行う場合は、公正証書遺言で作成することをおすすめします。

自筆証書遺言でも受取人変更は可能です。

しかし、自筆証書遺言は、方式不備、内容不明確、紛失、改ざん、遺言能力をめぐる争いなどのリスクがあります。

公正証書遺言であれば、公証人が関与して作成し、原本が公証役場に保管されます。

そのため、遺言書の有効性を争われるリスクを減らしやすくなります。

保険契約を正確に記載する

遺言書には、保険契約を特定できる情報を正確に記載しましょう。

保険会社名や証券番号が不明確だと、どの契約の受取人を変更するのか分からなくなる可能性があります。

複数の生命保険に加入している場合は、特に注意が必要です。

保険証券を確認しながら、契約内容を明確に記載しましょう。

この記事の監修者

行政書士法人クローバー法務事務所代表行政書士 大山悠太

監修者

行政書士法人クローバー法務事務所

代表行政書士

大山悠太

経歴

プロフィール
【経歴】
 
2016年4月:同志社大学法学部法律学科卒業後、新卒で不動産デベロッパーへ入社。入社後はマンション売買営業、人事部で新卒採用業務に従事。
 
2017年11月:行政書士試験合格
 
2019年5月:退職後、リンクス綜合法務行政書士オフィス開業
 
2023年1月:行政書士法人クローバー法務事務所へ法人化
 
【保有資格】
 
TOEIC745
 
宅地建物取引士
 
行政書士(申請取次)
 
ビジネス実務法務検定2級
 
【日本行政書士連合会登録番号】
第19261116号

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