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遺言書は、一度作成したら二度と変更できないものではありません。
遺言者は、自分の意思で遺言書を作成できます。
そして、作成後に気持ちや家族関係、財産状況が変わった場合には、遺言書を書き換えることもできます。
遺言書は、遺言者の最終意思を実現するための書類です。
そのため、遺言書を作成した後に事情が変わり、内容が現在の意思に合わなくなった場合には、書き換えや撤回を検討する必要があります。
ただし、状況が変わったからといって、必ずしも遺言書を書き換えなければならないわけではありません。
大切なのは、現在の遺言書が、今の自分の意思と財産状況に合っているかどうかです。
ご家族間での話し合い、情報共有は重要
遺言書は、遺言者の最終意思を尊重する制度です。
そのため、遺言者は、いつでも遺言書を撤回したり、変更したりすることができます。
書き換えの回数に制限はありません。
一度公正証書遺言を作成した後でも、事情が変われば新しい遺言書を作成できます。
また、自筆証書遺言を作成した後に、公正証書遺言で作り直すこともできます。
反対に、公正証書遺言を作成した後に、自筆証書遺言で内容を変更することも、方式を満たしていれば可能です。
遺言書を変更したい場合、口頭で「前の遺言書はやめる」と言っただけでは不十分です。
遺言書の撤回や変更は、原則として遺言の方式に従って行う必要があります。
つまり、新しい遺言書を適式に作成する必要があります。
たとえば、自筆証書遺言で変更する場合は、本文、日付、氏名を自書し、押印する必要があります。
公正証書遺言で変更する場合は、公証役場で公証人が関与して作成します。
遺言書を作成した後に、遺言者の気持ちが変わることがあります。
たとえば、以前は長男に多く財産を残したいと考えていたものの、その後関係が悪化し、別の相続人に残したいと考えるようになる場合です。
反対に、疎遠だった子どもと関係が改善し、以前の遺言内容を変えたいと思うこともあります。
遺言書は、遺言者が亡くなった時点で効力を生じます。
そのため、現在の気持ちと遺言内容が違っている場合、そのままにしておくと、相続開始後に本意ではない財産承継が行われる可能性があります。
財産を渡したい相手が変わった場合は、早めに遺言書の書き換えを検討しましょう。
遺言書を作成した時点では、ある相続人が中心となって支援してくれていたものの、その後、別の相続人が介護や生活支援を担うようになることがあります。
このような場合、遺言書の内容が現在の実情に合わなくなることがあります。
長年世話をしてくれた人に多く残したい場合や、感謝の気持ちを反映したい場合は、遺言書の内容を見直すとよいでしょう。
結婚前に作成した遺言書のままだと、新しい配偶者への配慮が不十分になることがあります。
たとえば、結婚前に「全財産を兄に遺贈する」と書いていた場合、結婚後もその遺言書が残っていると、配偶者との間で大きな問題になる可能性があります。
結婚したら、配偶者の生活を守る内容になっているか確認しましょう。
子どもが生まれた場合も、遺言書を見直す重要なタイミングです。
子どもは相続人になります。子どもが生まれる前に作成した遺言書では、子どもへの財産承継や未成年後見人の指定が考慮されていないことがあります。
特に、未成年の子どもがいる場合は、万が一に備えて、誰に財産を管理してもらうか、誰に子どもの世話を頼むかも検討する必要があります。
離婚した場合も、遺言書の見直しが必要です。離婚すると、元配偶者は相続人ではなくなります。
しかし、離婚前に作成した遺言書で、元配偶者に財産を遺贈する内容が残っている場合、その遺言内容が問題になることがあります。
元配偶者に財産を残す意思がなくなったのであれば、遺言書を撤回または変更する必要があります。
また、前婚の子ども、再婚後の配偶者、再婚後の子どもがいる場合は、相続関係が複雑になります。
離婚や再婚の際には、遺言書を必ず確認しましょう。
遺言書で財産を残す予定だった相続人や受遺者が、遺言者より先に亡くなることがあります。
この場合、その人に財産を相続させる内容は効力を生じない可能性があります。
たとえば、「全財産を妻に相続させる」と書いていたものの、妻が先に亡くなった場合、その後の承継先が決まっていなければ、法定相続や遺産分割協議が必要になることがあります。
このような事態に備えるためには、予備的遺言を入れておくことも有効です。
相続人や受遺者が亡くなった場合は、遺言書の見直しを検討しましょう。
遺言書に記載されていない不動産があると、その不動産について遺産分割協議が必要になる可能性があります。
反対に、遺言書に記載されている不動産をすでに売却している場合、その部分の遺言は実現できません。
不動産は相続手続きに大きく影響するため、売買や名義変更があったときは遺言書の見直しが必要です。
たとえば、遺言書作成時には預貯金が少なかったものの、その後大きく増えた場合、財産配分を再検討する必要があります。
また、株式や投資信託の評価額が大きく変動した場合、当初は公平だった分け方が不公平になることがあります。
財産額の変化によって、遺留分や相続税の問題も変わることがあります。
不動産や事業を特定の相続人に承継させる場合、その不動産に関連する借入金や事業上の債務についても整理する必要があります。
借入金が大きく増えた場合は、遺言書の内容だけでなく、相続放棄や限定承認の可能性も含めて確認が必要になることがあります。
会社経営者や個人事業主の場合、事業内容や会社株式の状況が変わったときも遺言書の見直しが必要です。
事業承継を誰にするのか、会社株式を誰に承継させるのか、他の相続人の遺留分にどう対応するのかを考える必要があります。
事業や会社株式がある場合は、税理士や司法書士などの専門家とも連携して検討しましょう。
新しい遺言書で、前の遺言書の全部または一部を撤回する内容を書きます。
ただし、自筆証書遺言の方式を満たしていなければ無効になる可能性があります。
公正証書遺言で作成した遺言を変更する場合は、できれば新しい公正証書遺言で作り直す方が安心です。
この方法は、特におすすめです。公正証書遺言であれば、公証人が関与して作成するため、方式不備のリスクを減らせます。
また、相続開始後の家庭裁判所の検認も不要です。
遺言書を書き換えるタイミングで、より確実な公正証書遺言に切り替えることも検討しましょう。
遺言書が複数ある場合、内容が抵触する部分については、原則として後に作成された遺言書が優先されます。
そのため、新しい遺言書を適式に作成していれば、古い遺言書と矛盾する部分は新しい遺言書が優先されます。
しかし、古い遺言書を放置しておくと、相続開始後に混乱が生じることがあります。
新しい遺言書を作成しても、相続開始後に古い遺言書だけが見つかり、新しい遺言書が発見されないことがあります。
この場合、相続人が古い遺言書をもとに手続きを進めようとしてしまう可能性があります。
また、後から新しい遺言書が見つかると、相続手続きのやり直しや相続人間のトラブルにつながることがあります。
遺言書を書き換えた場合は、古い遺言書の扱いを整理しておくことが重要です。
自宅で保管している古い自筆証書遺言については、新しい遺言書を作成した後、破棄することを検討しましょう。
ただし、どの遺言書を破棄するのかを間違えないように注意が必要です。
古い遺言書を破棄するだけでなく、新しい遺言書の中で旧遺言書を撤回する旨を明確に書いておくと安心です。
法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合、保管の申請を撤回して遺言書を返してもらうことができます。
ただし、保管の撤回は、遺言書の効力そのものを撤回する手続きではありません。
法務局から遺言書を返してもらっただけで、その遺言書の効力がなくなるわけではありません。
遺言内容を撤回したい場合は、別途、遺言の方式に従って撤回や変更を行う必要があります。
法務局保管制度を利用している遺言書を書き換える場合は、保管撤回と遺言内容の撤回を混同しないよう注意しましょう。
遺言書を書き換えるべきか判断するうえで最も重要なのは、現在の遺言書が、今の遺言者の意思に合っているかどうかです。
家族関係や財産状況に変化があっても、遺言者の希望に変わりがなく、遺言書の内容もその希望を実現できるものであれば、必ずしも書き換える必要はありません。
遺言書に書かれていない財産が増えている場合や、記載されている財産がすでに存在しない場合は、見直しを検討しましょう。
特に、不動産、預貯金、株式、事業用財産などが増減した場合は、財産の承継先が明確かどうかを確認する必要があります。
結婚、出産、離婚、再婚、養子縁組、相続人の死亡などがあった場合は、相続人の範囲が変わることがあります。
相続人が変わると、遺留分や法定相続分も変わることがあります。
遺言書が現在の相続関係に合っているか確認しましょう。
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