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遺言書情報証明書とは?

初めに

ご家族間での話し合い、情報共有は重要

自筆証書遺言書保管制度を利用して法務局に自筆証書遺言を保管している場合、相続開始後は、遺言書の原本そのものを使って相続手続きを進めるわけではありません。

遺言者が亡くなった後、相続人、受遺者、遺言執行者などが法務局へ請求し、「遺言書情報証明書」という証明書を取得します。

そして、この遺言書情報証明書を使って、預貯金の解約、不動産の名義変更、遺贈の履行などの相続手続きを進めることになります。

従来の自筆証書遺言では、遺言者が亡くなった後、家庭裁判所で検認手続きを行い、検認済みの遺言書を使って相続手続きを進める必要がありました。

しかし、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している場合は、家庭裁判所の検認は不要です。

その代わりに、法務局が発行する遺言書情報証明書を取得し、各手続先へ提出することになります。

遺言書情報証明書とは

法務局に保管された遺言書の内容を証明する書類

遺言書情報証明書とは、法務局に保管されている自筆証書遺言の内容を証明する書類です。

自筆証書遺言書保管制度を利用すると、遺言書の原本は法務局で保管されます。

相続開始後も、相続人や受遺者が遺言書の原本そのものの返還を受けるわけではありません。

そのため、相続手続きでは、法務局が発行する遺言書情報証明書を利用します。

遺言書情報証明書には、遺言者に関する情報、遺言書の保管情報、受遺者や遺言執行者に関する情報、遺言書の画像情報などが記載されます。

遺言書原本の代わりに相続手続きで使う

法務局保管制度を利用した自筆証書遺言では、遺言書情報証明書が、実務上、遺言書の内容を示す証明書として使われます。たとえば、次のような手続きで利用します。

預貯金の解約

不動産の相続登記

株式や投資信託の名義変更

遺贈された財産の引渡し

遺言執行者による手続き

相続税申告の資料確認

通常の自筆証書遺言のように、原本を家庭裁判所で検認し、その原本を使って手続きする流れとは異なります。

法務局に保管された自筆証書遺言では、遺言書情報証明書を取得して手続きを進める点を理解しておきましょう。

遺言書情報証明書が必要になる場面

法務局保管の自筆証書遺言で相続手続きをする場合

遺言書情報証明書が必要になるのは、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用している遺言書について、相続手続きを進める場合です。一般的な流れは次のとおりです。

遺言者が自筆証書遺言を作成する

遺言者本人が法務局に遺言書を保管する

遺言者が死亡する

相続人等が法務局へ遺言書情報証明書を請求する

遺言書情報証明書を使って相続手続きを進める

このように、相続開始後に遺言内容を確認し、手続きで利用するために取得する証明書が遺言書情報証明書です。

家庭裁判所の検認は不要

法務局に保管された自筆証書遺言については、家庭裁判所の検認が不要です。

そのため、相続人等は、家庭裁判所へ検認申立てをするのではなく、法務局で遺言書情報証明書の交付を請求します。

これにより、従来の自筆証書遺言に比べて、相続開始後の手続きを進めやすくなります。

ただし、検認が不要だからといって、遺言内容の有効性が当然に保証されるわけではありません。

遺言書の文言に不明確な点がある場合や、遺言能力をめぐって争いがある場合は、別途問題になる可能性があります。

遺言書情報証明書の記載内容

主な記載事項

遺言書情報証明書には、法務局に保管された遺言書に関する情報が記載されます。

主な内容は次のとおりです。

遺言者の氏名

遺言者の生年月日

遺言者の住所

遺言者の本籍

遺言書の作成年月日

遺言書の保管を開始した年月日

遺言書を保管している遺言書保管所の名称

遺言書の保管番号

受遺者がいる場合の氏名・住所

遺言執行者がいる場合の氏名・住所

遺言書の画像情報

財産目録など添付書類の画像情報

遺言書情報証明書には、法務局に保管されている遺言書の内容が画像情報として表示されます。そのため、相続人や手続先は、遺言書の内容を確認できます。

遺言書保管官の認証が付く

遺言書情報証明書には、遺言書保管官による認証が付されます。

そのため、単なるコピーではなく、法務局に保管されている遺言書の内容を証明する公的な証明書として扱われます。

金融機関や法務局で相続手続きを行う際には、この証明書を提出して手続きを進めることになります。

遺言書の原本は返却されるのか

相続人に原本は返却されない

法務局に保管された自筆証書遺言の原本は、相続開始後に相続人へ返却されるものではありません。

遺言者が亡くなった後、配偶者、子ども、受遺者、遺言執行者であっても、遺言書の原本そのものを受け取ることはできません。

相続手続きで使用するのは、遺言書情報証明書です。

手書きの原本を手元に残せない点に注意

自筆証書遺言は、遺言者本人が手書きしたものです。

そのため、遺族としては、故人が書いた遺言書の原本を手元に残したいと考えることもあります。

しかし、法務局保管制度を利用した場合、原本は制度上、法務局で保管されます。

そのため、相続人が原本を受け取ることはできません。

遺言者本人が生前に控えを残しておきたい場合は、保管申請前にコピーを取っておくことも検討できます。

ただし、相続開始後に手続きで使うのは、あくまで法務局が発行する遺言書情報証明書です。

遺言書情報証明書を請求できる人

関係相続人等が請求できる

遺言書情報証明書を請求できるのは、関係相続人等です。一般的には、次のような人が請求できます。

相続人

受遺者

遺言執行者

これらの法定代理人

遺言者が生きている間は、相続人予定者であっても、遺言書情報証明書を請求することはできません。

遺言者の死亡後に、関係相続人等が請求できる制度です。

相続人以外でも請求できる場合がある

受遺者や遺言執行者も、遺言書情報証明書を請求できます。

たとえば、遺言書で相続人以外の人に遺贈がされている場合、その受遺者は、自分が遺贈を受ける内容を確認するために証明書を請求できます。

また、遺言執行者に指定されている人も、遺言内容を実現するために証明書を取得することがあります。

交付請求できる法務局

全国どこの遺言書保管所でも請求できる

遺言書情報証明書の交付請求は、全国の遺言書保管所で行うことができます。

遺言書が保管されている法務局と同じ法務局でなければ請求できないわけではありません。

たとえば、大阪で保管された遺言書について、東京や福岡など別の遺言書保管所で証明書を請求できる場合があります。

相続人が遠方に住んでいる場合でも、最寄りの遺言書保管所で手続きできる点は便利です。

予約してから請求する

遺言書情報証明書の交付請求を窓口で行う場合は、事前予約が必要です。

予約せずに法務局へ行っても、当日対応してもらえないことがあります。

交付請求書は法務省のホームページから取得できます。

事前に記入しておくと、窓口での手続きがスムーズです。

遺言書情報証明書の交付請求の流れ

遺言書が保管されているか確認する

まず、遺言書が法務局に保管されているかを確認します。

保管されているか分からない場合は、遺言書保管事実証明書の交付請求を検討します。

遺言者が保管証を残している場合や、死亡時通知が届いた場合は、遺言書が保管されている可能性が高いです。

請求する遺言書保管所を決める

遺言書情報証明書は、全国の遺言書保管所で請求できます。

自宅や勤務先から行きやすい法務局を選びます。

交付請求書を作成する

遺言書情報証明書の交付請求書を作成します。

請求書には、遺言者の情報、請求人の情報、請求者の資格、受取方法などを記載します。

記入漏れがあると手続きが遅れる可能性があります。

必要書類を準備する

交付請求には、戸籍謄本、住民票、法定相続情報一覧図などの資料が必要になることがあります。

請求人が相続人なのか、受遺者なのか、遺言執行者なのかによって、必要書類が変わります。

事前に法務局へ確認しましょう。

予約を取る

窓口で交付請求する場合は、事前に予約を取ります。

インターネット予約や電話予約が利用できます。

郵送で請求できる場合もあります。

法務局で交付請求する

予約日時に法務局へ行き、交付請求書と必要書類を提出します。

窓口受取の場合は、本人確認書類が必要です。

郵送で請求する場合は、返信用封筒と切手が必要になります。

遺言書情報証明書を受け取る

手続きが完了すると、遺言書情報証明書が交付されます。

取得した証明書は、金融機関、法務局、証券会社、税務申告などの手続きで利用します。

この記事の監修者

行政書士法人クローバー法務事務所代表行政書士 大山悠太

監修者

行政書士法人クローバー法務事務所

代表行政書士

大山悠太

経歴

プロフィール
【経歴】
 
2016年4月:同志社大学法学部法律学科卒業後、新卒で不動産デベロッパーへ入社。入社後はマンション売買営業、人事部で新卒採用業務に従事。
 
2017年11月:行政書士試験合格
 
2019年5月:退職後、リンクス綜合法務行政書士オフィス開業
 
2023年1月:行政書士法人クローバー法務事務所へ法人化
 
【保有資格】
 
TOEIC745
 
宅地建物取引士
 
行政書士(申請取次)
 
ビジネス実務法務検定2級
 
【日本行政書士連合会登録番号】
第19261116号

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