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ご家族間での話し合い、情報共有は重要
公正証書遺言は、公証役場で公証人が関与して作成するため、安全性の高い遺言書です。
しかし、証人の選び方を誤ると、遺言書の有効性に影響する可能性があります。
しかし、法律上、証人になれない人が定められています。これを証人の欠格事由といいます。
欠格事由にあたる人を証人として公正証書遺言を作成すると、遺言書の効力が争われる原因になります。
公正証書遺言を作成するには、証人2人以上の立会いが必要です。
公正証書遺言は、遺言者が公証人に遺言内容を伝え、公証人がその内容を筆記し、遺言者と証人に読み聞かせ、または閲覧させて作成します。
そのうえで、遺言者、証人、公証人が署名押印します。
証人は、遺言書の作成手続きが適正に行われたことを確認するために立ち会います。
公正証書遺言の証人は、単にその場にいるだけの存在ではありません。証人は、主に次のような点を確認します。
遺言者本人が出席しているか
遺言者が自分の意思で遺言しているか
遺言者が遺言内容を理解しているか
公証人が筆記した内容が遺言者の意思に合っているか
遺言書作成の手続きが適正に行われているか
公正証書遺言は、相続開始後に重要な効力を持つ書類です。そのため、証人には、遺言書作成の公正さを支える役割があります。
公正証書遺言の作成時、証人は遺言書の原本に署名押印します。
そのため、証人の氏名は公正証書遺言に残ります。
また、遺言内容を確認する立場にあるため、証人には遺言内容を知られることになります。
財産内容や相続させる相手などを身近な人に知られたくない場合は、証人の選び方に注意が必要です。
未成年者は、公正証書遺言の証人になることができません。
証人には、遺言書作成の場面で、遺言者の意思や手続きの適正性を確認する役割があります。
そのため、十分な判断能力を期待できない未成年者は、証人から除外されています。
なお、遺言そのものは、15歳に達した人であれば作成できます。
つまり、15歳以上であれば遺言者になることはできますが、未成年者は公正証書遺言の証人にはなれません。この点は混同しないようにしましょう。
推定相続人とは、その時点で相続が開始した場合に相続人になると見込まれる人です。
たとえば、遺言者の配偶者、子、父母、兄弟姉妹などが該当することがあります。
推定相続人は、遺言内容によって利益を受ける可能性がある立場です。
そのため、公正な証人として立ち会うことはできません。
たとえば、長男に財産を相続させる内容の遺言書で、長男が証人になることはできません。
また、長男に何も相続させない内容であっても、長男が推定相続人である以上、証人にはなれません。
受遺者とは、遺言によって財産を受け取る人です。
相続人以外の人に財産を遺贈する場合、その人は受遺者になります。
受遺者は、遺言によって直接利益を受ける立場です。
そのため、公正証書遺言の証人になることはできません。
たとえば、内縁の妻に財産を遺贈する遺言書を作成する場合、その内縁の妻は証人になれません。
友人や団体に財産を遺贈する場合も、その受遺者本人は証人になれません。
推定相続人や受遺者本人だけでなく、その配偶者や直系血族も証人になることができません。
直系血族とは、親子関係で上下につながる血族です。
たとえば、父母、祖父母、子、孫などが該当します。
具体的には、次のような人は証人になれません。
推定相続人の配偶者
推定相続人の子
推定相続人の父母
受遺者の配偶者
受遺者の子
受遺者の父母
たとえば、長男が推定相続人である場合、長男の妻や長男の子も証人になれません。また、友人に遺贈する場合、その友人の配偶者や子も証人になることはできません。
公正証書遺言では、公証人が遺言書を作成します。
そのため、公証人に近い関係にある人が証人になると、公正さに疑いが生じる可能性があります。
そこで、公証人の配偶者や四親等内の親族は、証人になることができません。
公証人の書記や使用人も、公正証書遺言の証人になることができません。
公証人の業務に近い立場にある人が証人になると、第三者としてのチェック機能が十分に働かないおそれがあるためです。
証人欠格者が証人として立ち会った場合、公正証書遺言の方式に問題があるとして、遺言書の効力が争われる可能性があります。
公正証書遺言は安全性の高い遺言書ですが、証人の資格に問題があれば、無効主張の原因になります。
特に、相続人間で争いが予想される場合は、証人の選定に細心の注意が必要です。
親族の中には、法律上の欠格事由に該当しない人もいます。
しかし、実務上は、親族を証人にすることは避けた方が安全です。
理由は、親族は相続関係や家族関係に何らかの利害を持っていると見られやすいからです。
たとえ欠格事由に該当しなくても、後から他の相続人に疑われる可能性があります。
公正証書遺言は、相続開始後の争いを防ぐために作成するものです。
その目的を考えると、できるだけ相続に関係のない第三者を証人にすることをおすすめします。
証人は、相続に関係のない友人や知人に頼むこともできます。
しかし、実際には頼みにくいことが多いです。
理由としては、次のようなものがあります。
平日の日中に公証役場へ来てもらう必要がある
遺言内容や財産内容を知られてしまう
遺言書に証人の氏名が残る
相続トラブルが起きた場合に関与を求められる可能性がある
遺言書を作成すること自体を知られたくない
このような事情から、身近な人に証人を頼めない方は少なくありません。
証人を頼める人がいない場合、公証役場に相談すると証人を紹介してもらえる場合があります。
公証役場によって取扱いが異なることがあるため、事前に確認しましょう。
証人を自分で用意できないからといって、公正証書遺言の作成をあきらめる必要はありません。
行政書士、司法書士、弁護士などの専門家に公正証書遺言の作成を依頼する場合、証人の手配まで相談できることがあります。
専門家に依頼するメリットは、遺言内容の整理、必要書類の準備、公証役場との調整、証人の手配をまとめて進められることです。
また、専門家には守秘義務があるため、遺言内容を身近な友人や親族に知られたくない方にも適しています。
証人を選ぶときは、まず欠格事由に該当しないか確認しましょう。
特に注意すべきなのは、推定相続人、受遺者、その配偶者や直系血族です。
「親族だから安心」と考えて証人にすると、実は欠格事由に該当していたということもあり得ます。
公証役場は、通常、平日の日中に手続きを行います。
そのため、証人には平日に時間を確保してもらう必要があります。
証人を頼む場合は、日程調整が可能かどうかも確認しておきましょう。
証人は、遺言書の作成に立ち会った人です。
相続開始後に遺言書の有効性が争われた場合、証人として当時の状況を確認される可能性があります。
証人を依頼する場合は、そのような可能性があることも説明しておくとよいでしょう。
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