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ご家族間での話し合い、情報共有は重要
結論からいうと、預貯金口座については、できるだけ金融機関名、支店名、預金種別、口座番号まで明記することをおすすめします。
銀行名を必ず書かなければ遺言書が無効になる、というわけではありません。
しかし、銀行名や支店名を書かないと、相続開始後にどの口座を指しているのか分かりにくくなり、相続人や遺言執行者が困る可能性があります。
特に、複数の金融機関に口座がある場合、ネット銀行を利用している場合、通帳やキャッシュカードが見つかりにくい場合は、口座の特定に時間がかかります。
一方で、銀行口座の数が多い場合や、今後口座を変更する可能性がある場合には、すべての口座を本文に細かく書くと、遺言書の見直しが大変になります。
そのような場合は、財産目録を別紙で作成したり、「その他一切の金融資産」などの表現を併用したりする方法が考えられます。
遺言書に預貯金口座を記載する場合は、基本的に銀行名を明記した方がよいです。
具体的には、次のような情報を記載します。
金融機関名
支店名
預金種別
口座番号
口座名義
必要に応じて通帳記号番号
銀行名を記載しない遺言書が、必ず無効になるわけではありません。
たとえば、次のような記載をすることも考えられます。
「遺言者の有する預貯金口座一式を、長男〇〇に相続させる。」
このような書き方であれば、銀行名や支店名を一つずつ書かずに、預貯金や金融資産をまとめて指定できます。
ただし、相続開始後にどの金融機関に口座があるのかを調査する必要があります。
そのため、手続きのしやすさという点では、銀行名や支店名を明記する方が安全です。
預貯金口座を特定するには、金融機関名だけでは不十分なことがあります。同じ銀行でも支店が複数あり、普通預金、定期預金、外貨預金など種別も異なります。
そのため、次のように具体的に記載しましょう。
「〇〇銀行〇〇支店の普通預金口座番号〇〇〇〇〇〇〇」
このように書くことで、どの口座を誰に取得させるのかが明確になります。
銀行口座が多い場合、遺言書本文にすべてを書こうとすると、長くなり、誤記も起こりやすくなります。
そのような場合は、財産目録を別紙で作成すると整理しやすくなります。
遺言書本文には、次のように記載します。
「遺言者は、別紙財産目録1記載の預貯金を、長男〇〇に相続させる。」
そして、別紙財産目録に金融機関名、支店名、種別、口座番号などを一覧で記載します。
自筆証書遺言の場合でも、財産目録はパソコンで作成できます。
ただし、自書によらない財産目録には、各ページに署名押印が必要です。
銀行名や支店名を一つずつ書かず、「預貯金一式」「一切の金融資産」とまとめることで、遺言書を簡潔にできます。
口座数が多い方にとっては、作成時の負担を減らせるというメリットがあります。
銀行名や口座番号を細かく指定すると、遺言作成後に口座を解約したり、別の銀行へ移したりした場合に、遺言書の内容が現在の財産状況と合わなくなることがあります。
一方で、「死亡時に有する一切の預貯金」「一切の金融資産」といった表現にしておけば、将来の口座変更にも対応しやすくなります。
すべての口座を個別に書く方法では、記載漏れが起こることがあります。
特に、ネット銀行、休眠口座、定期預金、外貨預金、証券会社の預り金などは忘れやすい財産です。
「一切の金融資産」や「その他一切の財産」という表現を入れておけば、記載漏れの財産が出た場合でも、相続手続きを進めやすくなることがあります。
銀行名を省略する最大のデメリットは、相続開始後に口座の特定が難しくなることです。
通帳やキャッシュカードが残っていれば、相続人は比較的調査しやすいです。
しかし、ネット銀行やネット証券のように紙の通帳がない場合、相続人が存在に気付かない可能性があります。
また、スマートフォンやパソコンのログイン情報が分からず、金融機関の存在を確認できないこともあります。
銀行名を省略する場合でも、相続人や遺言執行者が調査できるよう、財産目録やメモを整備しておくことが重要です。
銀行名が明記されていない場合、相続人は各金融機関へ照会し、口座の有無を確認する必要があります。
その分、相続手続きに時間がかかります。
預貯金だけでなく、証券口座、投資信託、外貨預金、保険、電子マネー、暗号資産などがある場合は、調査がさらに複雑になります。
遺言書に「預貯金一式」とだけ書かれている場合、相続人の間で次のような疑問が生じることがあります。
「本当にすべての口座が分かっているのか」
「誰かが口座を隠しているのではないか」
口座の所在が分からない状態が続くと、相続人間の不信感につながります。
遺言書そのものの効力や、遺言者の真意をめぐって争いになることもあります。
「〇〇銀行の預金は長男に、△△銀行の預金は長女に」というように、口座ごとに取得者を分けたい場合は、銀行名を省略しない方が安全です。
銀行名や口座番号を明記しないと、どの口座を誰に取得させるのかが不明確になります。
特定の預貯金を特定の人に渡したい場合は、金融機関名、支店名、種別、口座番号まで記載しましょう。
預貯金口座を遺言書に記載する場合、金融機関名や口座番号は書いた方がよいですが、預貯金額まで書くことは基本的におすすめしません。
預金残高は、日々変動するからです。
遺言書作成時の残高と、死亡時の残高が同じとは限りません。
たとえば、遺言書に次のように書いたとします。
「〇〇銀行〇〇支店の普通預金500万円を長男に相続させる。」
しかし、死亡時にはその口座に800万円が残っていた場合、残り300万円の扱いが問題になる可能性があります。
反対に、死亡時の残高が200万円しかなかった場合、長男が期待していた金額と異なり、不満が生じることもあります。
このようなトラブルを避けるため、預貯金については金額ではなく、口座そのものを指定する方が分かりやすいです。
どうしても金額で指定したい場合は、どの財産から支払うのか、残高不足の場合はどうするのかを考える必要があります。
たとえば、特定の人に「金〇〇万円を遺贈する」と書く場合、相続開始時に十分な預貯金があるか、遺言執行者が換金して支払うのかなど、実行方法を検討しなければなりません。
金額指定をする場合は、遺言執行者の指定もあわせて検討しましょう。
銀行名を一つずつ書かない場合は、対象となる財産の範囲を明確にすることが重要です。
たとえば、次のような表現です。
「遺言者が死亡時に有する一切の金融資産を、妻〇〇に相続させる。」
「一切の金融資産」と書く場合は、預貯金だけでなく、株式、投資信託、債券、証券口座の預り金などを含める趣旨かどうかを明確にしておく必要があります。
遺言書本文を簡潔にしながら、財産を特定しやすくするには、別紙財産目録を活用する方法があります。
本文には、次のように書きます。
「遺言者は、別紙財産目録記載の預貯金を、長男〇〇に相続させる。」
別紙財産目録には、金融機関名、支店名、預金種別、口座番号などを一覧で記載します。
自筆証書遺言の場合でも、財産目録は自書でなくても構いません。
パソコンで作成した表や、通帳コピー、登記事項証明書などを財産目録として添付できます。
ただし、自書によらない財産目録には、記載のあるすべてのページに署名押印が必要です。
銀行口座を個別に記載していても、記載漏れが起こることがあります。
そのため、遺言書には「その他一切の財産」を誰に取得させるかも記載しておくと安心です。
たとえば、次のような記載です。
「遺言者は、本遺言に記載のないその他一切の財産を、妻〇〇に相続させる。」
このような条項があれば、記載漏れの口座や新しく取得した財産が見つかった場合でも、手続きが進めやすくなります。
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