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一方で、被相続人に借金がある場合や、財産状況が分からない場合には、相続放棄を検討することもあります。
未支給年金は、一定の遺族が自分の権利として請求するものとされており、相続財産ではないと考えられています。
そのため、要件を満たす遺族であれば、相続放棄をしていても未支給年金を受け取れる可能性があります。
ただし、注意点もあります。
未支給年金を受け取れる人には順位があり、亡くなった方と生計を同じくしていたことが必要です。
また、亡くなった方の口座に振り込まれた年金を勝手に引き出して使うと、相続放棄との関係で問題になる可能性があります。
未支給年金とは、年金を受けていた人が亡くなったときに、まだ本人に支給されていない年金のことです。
また、亡くなった日より後に本人名義の口座へ振り込まれた年金のうち、亡くなった月分までの年金も未支給年金に含まれます。
公的年金は、原則として偶数月に前月分と前々月分が支給されます。
そのため、年金受給者が亡くなると、死亡時点ではまだ支給されていない年金が発生することがあります。
たとえば、年金を受けていた人が5月10日に亡くなったとします。
その後、6月に4月分・5月分の年金が振り込まれた場合、その4月分・5月分の年金は、亡くなった月分までの年金として未支給年金の対象になります。
一方、死亡月の翌月分以降の年金は、本来受け取る権利がないものです。
誤って振り込まれた場合には、返還が必要になることがあります。
未支給年金は、亡くなった人の相続財産ではなく、一定の遺族が固有の権利として請求するものと考えられています。
相続財産とは、被相続人が死亡時に持っていた財産や権利義務のことです。
預貯金、不動産、株式、車、貸付金などが代表例です。
相続放棄をすると、相続財産は取得できません。
しかし、遺族が自分自身の権利として受け取る固有財産については、相続放棄をしていても受け取れる場合があります。
未支給年金は、この固有財産にあたると整理されています。
そのため、相続放棄をしても、要件を満たす遺族は未支給年金を請求できる可能性があります。
相続放棄をしても、未支給年金を受け取れる可能性があります。
相続放棄とは、被相続人の財産や債務を一切引き継がないために、家庭裁判所で行う手続です。
相続放棄が認められると、その人は初めから相続人ではなかったものとして扱われます。
そのため、被相続人の預貯金や不動産などの相続財産は取得できません。
一方、未支給年金は、被相続人の相続財産として受け取るものではなく、一定の遺族が自己の権利として請求するものです。
したがって、相続放棄をした人でも、未支給年金の受給要件を満たしていれば、受け取れる可能性があります。
未支給年金を受け取れるのは、亡くなった年金受給者と生計を同じくしていた一定の遺族です。
受け取れる人には順位があります。
一般的な順位は次のとおりです。
配偶者
子
父母
孫
祖父母
兄弟姉妹
その他3親等内の親族
先順位の人がいる場合、後順位の人は未支給年金を受け取ることはできません。
たとえば、亡くなった人と生計を同じくしていた配偶者がいる場合、子や兄弟姉妹は未支給年金を請求できません。
同順位の人が複数いる場合には、そのうち1人が代表して請求することになります。
未支給年金を受け取るには、亡くなった年金受給者と生計を同じくしていたことが必要です。
同居していた場合は、生計同一が比較的説明しやすいです。
一方、別居していた場合でも、生活費や療養費を援助していた、定期的に仕送りしていた、施設費や医療費を負担していたなどの事情があれば、生計同一が認められることがあります。
ただし、別住所の場合には、生計同一関係に関する申立書や、第三者による証明、送金記録などが必要になることがあります。
単に親族であるだけでは足りません。
亡くなった当時に生計を同じくしていたかどうかが重要です。
未支給年金では、事実婚関係にあった配偶者が請求できる場合があります。
ただし、戸籍上の配偶者ではないため、事実婚関係や生計同一関係を証明する資料が必要になります。
たとえば、同居の状況、住民票、公共料金の支払い状況、親族や第三者の証明などが問題になります。
事実婚関係にあった配偶者が未支給年金を請求する場合は、通常の配偶者より確認資料が多くなることがあります。
事前に年金事務所へ必要書類を確認することが大切です。
未支給年金を受け取るには、年金事務所などへ請求手続を行います。
一般的には、年金受給権者死亡届と未支給年金・未支払給付金請求書を提出します。
ただし、日本年金機構に亡くなった方のマイナンバーが収録されている場合、死亡届の提出を省略できることがあります。
未支給年金を受け取れる遺族がいない場合や、未払いの年金が発生しない場合には、死亡届のみを提出することになります。
年金の種類や加入していた制度によって取扱いが異なることがあるため、手続前に年金事務所へ確認しましょう。
年金受給者が亡くなった後、手続が間に合わず、本人名義の口座へ年金が振り込まれることがあります。
この場合、その全額を自由に使ってよいわけではありません。
亡くなった月分までの年金は未支給年金として請求できる可能性があります。
一方、死亡月の翌月分以降の年金が振り込まれている場合は、過払いとして返還が必要になることがあります。
また、相続放棄を検討している場合、亡くなった人名義の口座から勝手に出金して使うと、相続財産に手を付けたと見られるおそれがあります。
未支給年金は固有財産とされていますが、本人名義の口座に入っているお金をどのように扱うかは慎重に判断する必要があります。
未支給年金を、受給要件を満たす遺族が自分の権利として請求して受け取ること自体は、通常、相続財産の処分にはあたりません。
そのため、未支給年金を受け取ったことだけを理由に、相続放棄ができなくなるわけではないと考えられます。
ただし、注意すべきなのは受け取り方です。
亡くなった方の口座に振り込まれた年金を、未支給年金の手続をしないまま引き出して使った場合、相続財産を処分したのではないかと疑われる可能性があります。
相続放棄を検討している場合は、本人名義の預貯金口座から安易に引き出さず、未支給年金として正式に請求する方法を確認しましょう。
相続放棄をすると、被相続人の相続財産は取得できません。
しかし、相続放棄をしても、遺族自身の権利として受け取れるお金があります。
代表例としては、次のようなものです。
未支給年金
遺族年金
死亡一時金
生命保険金
健康保険の埋葬料
国民健康保険の葬祭費
香典
遺族に支給される死亡退職金
祭祀財産
これらは、制度や契約の内容によって、相続財産ではなく受取人や遺族の固有財産と判断されることがあります。
ただし、すべてのケースで必ず受け取れるとは限りません。
受取人の指定、会社の退職金規程、保険約款、健康保険制度、年金制度の内容を確認する必要があります。
遺族年金は、亡くなった人によって生計を維持されていた遺族の生活保障のために支給される年金です。
これは、遺族自身に認められる権利です。
そのため、相続放棄をしても、要件を満たせば遺族年金を受け取れる可能性があります。
ただし、遺族年金には、被保険者や受給者の要件、遺族の範囲、生計維持関係、年齢要件などがあります。
相続放棄とは別に、遺族年金の受給要件を満たしているか確認する必要があります。
財産放棄の大きなデメリットは、借金の負担が残る可能性があることです。
被相続人に借金がある場合、財産放棄をしても、相続人であることに変わりはありません。
そのため、債権者から法定相続分に応じた支払いを求められる可能性があります。
また、財産放棄をしても、遺産分割協議には参加する必要があります。
他の相続人から遺産分割協議書への署名押印を求められることもあります。
署名押印を拒否すれば、遺産分割協議がまとまらず、調停や審判に進む可能性もあります。
相続放棄をすると、被相続人の相続財産は受け取れません。
相続放棄した人が受け取れない可能性が高いものとしては、次のようなものがあります。
被相続人名義の預貯金
被相続人所有の不動産
被相続人名義の株式や投資信託
被相続人所有の自動車
被相続人の貸付金
被相続人が受取人になっている保険金
被相続人本人に支給されるべき未払給与
被相続人本人に支給される死亡退職金
税金や保険料の過払いによる還付金
被相続人が世帯主として受け取るべき高額療養費の還付金
これらは相続財産にあたる可能性があります。
相続放棄を検討している場合は、安易に受け取ったり使ったりしないよう注意しましょう。
高額療養費の還付金は、誰に支給されるものかによって扱いが変わることがあります。
被相続人本人が世帯主であり、本人に支給される性質の還付金である場合には、相続財産と判断される可能性があります。
一方で、被相続人以外の人に支給されるものや、制度上その人固有の権利として支給されるものは、相続財産ではない可能性があります。
高額療養費や医療費関係の還付金は、ケースによって判断が分かれやすい項目です。
相続放棄を検討している場合は、受け取る前に市区町村や健康保険組合、専門家に確認しましょう。
相続放棄を検討している人が未支給年金を請求するときは、次の点に注意しましょう。
まず、未支給年金として正式に請求することです。
亡くなった方の口座に入っているお金を勝手に出金するのではなく、年金事務所の手続に従って請求しましょう。
次に、受け取れる順位と生計同一要件を確認することです。
自分より先順位の人がいる場合、自分は請求できない可能性があります。
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