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遺産分割協議中に相続人が死亡した場合

初めに

ご家族間での話し合い、情報共有は重要

遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があります。

相続人の一人でも欠けた状態で行った遺産分割協議は、原則として有効に成立しません。

では、遺産分割協議がまとまる前に、相続人の一人が亡くなってしまった場合はどうなるのでしょうか。

このようなケースでは、亡くなった相続人の相続人が、元の相続についての遺産分割協議に参加することになります。

最初の相続が終わらないうちに、次の相続が発生することを、一般に数次相続といいます。

数次相続が起きると、相続人の人数が増えたり、戸籍収集が複雑になったり、遺産分割協議書の作成方法が難しくなったりします。

遺産分割協議は相続人全員で行う

遺産分割協議とは、被相続人が残した遺産を、相続人の間でどのように分けるかを決める話し合いです。

預貯金、不動産、株式、自動車、現金、債務などについて、誰が何を取得するかを決めます。

遺産分割協議は、相続人全員で行う必要があります。

相続人の一部だけで話し合って作成した遺産分割協議書は、原則として有効な協議書とはいえません。

たとえば、相続人が長男、長女、次男の3人であるにもかかわらず、長男と長女だけで協議書を作成しても、次男を除外した協議は無効になる可能性があります。

相続人全員が内容に合意し、通常は遺産分割協議書に署名押印し、印鑑証明書を添付して、相続手続を進めます。

遺産分割協議は全員が集まらなくてもできる

遺産分割協議は、相続人全員が同じ場所に集まって話し合わなければならないわけではありません。

相続人が遠方に住んでいる場合や、仕事や健康上の事情で集まれない場合には、電話、メール、書面、郵送などで内容を確認しながら進めることもあります。

実務上は、遺産分割協議書を作成し、相続人の間で持ち回りにして署名押印していく方法もよく使われます。

重要なのは、相続人全員が協議内容を理解し、合意していることです。

単に書類に押印させるのではなく、誰がどの財産を取得するのか、債務はどう扱うのか、不動産や預貯金の内容は正しいかを確認する必要があります。

協議中に相続人が死亡するとどうなるか

遺産分割協議が成立する前に相続人の一人が死亡した場合、その相続人が持っていた相続上の地位は、その人の相続人に承継されます。

つまり、死亡した相続人の相続人が、元の相続についての遺産分割協議に参加することになります。

たとえば、父が亡くなり、相続人が母、長男、長女だったとします。

父の遺産分割協議がまとまる前に長男が亡くなった場合、長男が持っていた父の相続に参加する地位は、長男の相続人に引き継がれます。

長男に配偶者と子がいれば、その配偶者と子が、父の相続についての遺産分割協議にも関係することになります。

このように、相続が重なると、当初の相続人だけではなく、その後に死亡した相続人の相続人も含めて協議する必要があります。

数次相続とは

数次相続とは、ある相続について遺産分割が終わらないうちに、相続人の一人が亡くなり、次の相続が発生することをいいます。

最初の相続を一次相続、その後に発生した相続を二次相続と呼ぶこともあります。

たとえば、祖父が亡くなった後、祖父の遺産分割をしないまま、相続人である父が亡くなった場合です。

この場合、祖父の相続と父の相続が重なることになります。

父の相続人は、父自身の財産について相続するだけでなく、父が祖父の相続について持っていた地位も承継します。

数次相続では、相続人の範囲が広がり、戸籍収集や協議書作成が複雑になりやすいです。

遺産分割協議が成立していたかが重要

相続人が死亡した場合、まず確認すべきなのは、遺産分割協議がすでに成立していたかどうかです。

遺産分割協議が成立する前に相続人が死亡した場合は、その相続人の相続人が協議に参加します。

一方、遺産分割協議がすでに成立していた場合は、死亡した相続人が取得することになっていた財産は、その人の相続財産になります。

この場合は、元の相続の遺産分割協議をやり直すのではなく、亡くなった相続人自身の相続手続を行うことになります。

ただし、協議書の署名押印が途中だった場合や、一部の相続人だけが合意していた場合には、協議が成立していたかどうかが問題になることがあります。

口頭で話し合っていた内容があっても、証明が難しいことがあります。

相続人が高齢である場合や体調に不安がある場合は、協議内容がまとまった時点で早めに協議書を完成させましょう。

協議書に署名押印する前に死亡した場合

遺産分割協議書に署名押印する前に相続人が死亡した場合、通常は協議が未成立と判断される可能性が高くなります。

この場合、死亡した相続人の相続人が、改めて協議に参加する必要があります。

たとえば、相続人A、B、Cのうち、AとBが協議内容に合意し、Cへ協議書を郵送していたところ、Cが署名押印する前に亡くなった場合です。

この場合、Cの相続人がCの地位を承継し、協議に参加します。

Cの配偶者や子がいる場合には、その人たちも元の被相続人の遺産分割協議に関与することになります。

このように、署名押印前に相続人が死亡すると、協議参加者が増えるため、手続が複雑になります。

協議成立後に相続人が死亡した場合

遺産分割協議がすでに成立した後に相続人が死亡した場合は、基本的にその協議は有効です。

その相続人が取得することになった財産は、その人の相続財産になります。

たとえば、父の遺産分割協議で長男が不動産を取得することになり、協議書も完成していた場合です。

その後、長男が亡くなった場合、長男が取得した不動産は長男の相続財産として、長男の相続人が相続することになります。

この場合、父の相続についての協議を最初からやり直すのではなく、長男の相続手続として処理します。

この記事の監修者

行政書士法人クローバー法務事務所代表行政書士 大山悠太

監修者

行政書士法人クローバー法務事務所

代表行政書士

大山悠太

経歴

プロフィール
【経歴】
 
2016年4月:同志社大学法学部法律学科卒業後、新卒で不動産デベロッパーへ入社。入社後はマンション売買営業、人事部で新卒採用業務に従事。
 
2017年11月:行政書士試験合格
 
2019年5月:退職後、リンクス綜合法務行政書士オフィス開業
 
2023年1月:行政書士法人クローバー法務事務所へ法人化
 
【保有資格】
 
TOEIC745
 
宅地建物取引士
 
行政書士(申請取次)
 
ビジネス実務法務検定2級
 
【日本行政書士連合会登録番号】
第19261116号

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