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ご家族間での話し合い、情報共有は重要
遺言者本人の意思を確認し、証人2人以上の立会いのもと、公証人が法律上の方式に従って作成します。
自筆証書遺言と同じく、遺言者が亡くなった後に財産の承継方法を定める効力があります。
ただし、公正証書遺言には、自筆証書遺言にはない実務上の大きなメリットがあります。
たとえば、方式不備で無効になるリスクが低いこと、原本が保管されること、家庭裁判所の検認が不要であることなどです。
公正証書遺言とは、公証人が作成する公正証書による遺言書です。
遺言者が公証人に遺言内容を伝え、公証人がその内容を法律的に整理して文書化します。
作成時には、原則として証人2人以上の立会いが必要です。
遺言者、公証人、証人が内容を確認したうえで作成されるため、自分一人で作成する自筆証書遺言よりも、安全性の高い遺言方法といえます。
また、公正証書遺言の原本は公証役場などで保管されるため、遺言書が紛失したり、相続人に破棄されたりするリスクを抑えられます。
相続トラブルを防ぎたい方、財産が多い方、不動産がある方、相続人同士の関係に不安がある方に向いている遺言方法です。
公正証書遺言の効力とは、遺言者が亡くなった後、その遺言内容に従って相続手続を進めることができる力をいいます。
公正証書遺言がある場合、相続人全員で遺産分割協議をしなくても、遺言内容に基づいて預貯金の解約を進められる場合があります。
つまり、公正証書遺言には、遺言者の意思を相続開始後に実現しやすくする効力があります。
公正証書遺言では、相続人の相続分を指定できます。
法定相続分とは異なる割合で相続させたい場合に使われます。
たとえば、「妻の相続分を2分の1、長男の相続分を4分の1、長女の相続分を4分の1とする」というような内容です。
ただし、相続分の割合だけを指定すると、具体的に誰がどの財産を取得するのかが分かりにくい場合があります。
実務上は、単に割合を指定するだけでなく、具体的な財産の取得者まで決めておく方が、相続手続を進めやすくなります。
公正証書遺言では、遺産分割の方法を指定できます。
たとえば、
「長男に自宅不動産を相続させる」
「長女に〇〇銀行の預金を相続させる」
というように、誰がどの財産を取得するかを具体的に定めます。
このように、特定の財産を特定の相続人に承継させる遺言は、相続開始後の手続を分かりやすくします。
相続人全員で遺産分割協議をしなくても、遺言内容に従って手続を進められる場合があります。
公正証書遺言では、相続人以外の人に財産を渡すこともできます。
これを遺贈といいます。
たとえば、次のような人や団体に財産を残したい場合です。
内縁の配偶者
長男の妻
孫
友人
お世話になった人
介護してくれた人
法人
公益団体
学校や施設
相続人ではない人は、遺言書がなければ原則として遺産を取得できません。
そのため、相続人以外の人に財産を残したい場合は、公正証書遺言で明確に遺贈する内容を定めておくことが重要です。
公正証書遺言では、遺言執行者を指定できます。
遺言執行者とは、遺言内容を実現するために必要な手続を行う人です。
たとえば、次のような手続を行います。
預貯金の解約
受遺者への財産引渡し
不動産手続に必要な準備
相続人への通知
財産目録の作成
遺言内容の実現に必要な事務
遺言執行者を指定しておくことで、相続人同士の協力が得られない場合でも、手続を進めやすくなります。
特に、相続人以外への遺贈がある場合、相続人間の関係が悪い場合、不動産や預貯金が複数ある場合は、遺言執行者を指定しておくことをおすすめします。
公正証書遺言では、祭祀承継者を指定することもできます。
祭祀承継者とは、墓地、仏壇、位牌、家系図など、祖先の祭祀に関するものを承継する人です。
祭祀財産は、通常の相続財産とは異なる扱いになります。
たとえば、長男に墓地や仏壇を承継させたい場合や、実際に供養を行う人を明確にしたい場合は、遺言書で祭祀承継者を指定しておくとよいでしょう。
ただし、祭祀承継者の指定と、預貯金や不動産の相続は別の問題です。
祭祀を承継する人に、供養費用として一定の財産を相続させるかどうかもあわせて検討しましょう。
公正証書遺言の原本は、公証役場または日本公証人連合会のシステムで保管されます。
そのため、自宅で保管する自筆証書遺言と比べて、紛失、破棄、隠匿、改ざんのリスクを抑えられます。
自筆証書遺言の場合、遺言者の死亡後に遺言書が見つからないことがあります。
また、相続人の一人が遺言書を隠したり、破棄したりするリスクもあります。
公正証書遺言であれば、正本や謄本を紛失しても、原本が保管されていれば再度謄本を取得できる可能性があります。
相続開始後には、相続人などの利害関係人が、公正証書遺言の有無を検索できる制度もあります。
公正証書遺言は、家庭裁判所の検認が不要です。
検認とは、相続人に遺言書の存在と内容を知らせ、遺言書の状態を確認し、偽造や変造を防ぐための手続です。
自宅で保管されていた自筆証書遺言や秘密証書遺言では、原則として検認が必要になります。
検認には、戸籍収集、家庭裁判所への申立て、期日の調整などが必要で、相続手続を始めるまでに時間がかかることがあります。
公正証書遺言であれば検認が不要なため、相続開始後、比較的早く預貯金や不動産の手続に進みやすくなります。
なお、検認を受けなかった場合に問題となるのは「罰金」ではなく、法律上は「過料」です。
公正証書遺言そのものに、有効期限はありません。
一度有効に作成された公正証書遺言は、遺言者が撤回したり、新しい遺言書で内容を変更したりしない限り、期間の経過だけで効力を失うものではありません。
たとえば、10年前に作成した公正証書遺言でも、その後に撤回や変更がなければ、相続開始時に有効な遺言書として扱われる可能性があります。
ただし、長期間が経過すると、財産内容や家族関係が変わっていることがあります。
そのため、有効期限がないからといって、作成後に放置してよいわけではありません。
定期的に内容を見直すことが重要です。
公正証書遺言は、公証役場などで長期間保存されます。
一般的な公正証書の保存期間は20年とされていますが、遺言公正証書については、遺言者の死亡後50年、証書作成後140年、または遺言者の生後170年間保存する取扱いがされています。
以前は「遺言者が120歳になるまで保存される」と説明されることもありましたが、現在の日本公証人連合会の案内では、より長期の保存取扱いが示されています。
このように、公正証書遺言は長期間保管されるため、相続開始後に正本や謄本が見つからない場合でも、公証役場で検索・謄本請求ができる可能性があります。
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大山悠太
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