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公正証書遺言の証人はどう決める?

初めに

ご家族間での話し合い、情報共有は重要

公正証書遺言を作成するには、証人2名の立会いが必要です。

公正証書遺言は、公証人が関与して作成する安全性の高い遺言書ですが、遺言者と公証人だけで作成できるわけではありません。

証人2名が立ち会うことで、遺言者本人の意思に基づいて遺言が作成されたことや、手続が適切に行われたことを確認します。

ただし、証人は誰でもよいわけではありません。

未成年者、推定相続人、受遺者、推定相続人や受遺者の配偶者・直系血族などは、証人になることができません。

そのため、配偶者、子ども、孫、親などの親族に安易に頼むと、証人として不適格になる可能性があります。

公正証書遺言には証人2名が必要

公正証書遺言を作成するには、証人2名の立会いが必要です。

民法では、公正証書遺言の方式として、証人2人以上の立会いが定められています。

実務上は、通常、証人2名で作成されます。

公正証書遺言の作成当日は、遺言者、公証人、証人2名が立ち会い、遺言内容の確認を行います。

公証人が遺言内容を読み聞かせ、または閲覧させ、遺言者と証人が内容を確認したうえで署名押印します。

証人がいなければ、公正証書遺言を作成できません。

そのため、公正証書遺言を作成する前に、誰を証人にするかを決めておく必要があります。

証人が必要な理由

公正証書遺言で証人が必要とされるのは、遺言者の真意を確認し、手続が適切に行われたことを担保するためです。

証人には、主に次のような役割があります。

遺言者本人が手続に参加していることを確認する

遺言者が自分の意思で遺言していることを確認する

公証人による読み聞かせや閲覧が行われたことを確認する

遺言者が内容を承認したことを確認する

遺言作成手続が適式に行われたことを確認する

後日の紛争を防止する

証人は、遺言内容が法律上最善かどうかを判断する人ではありません。

また、遺言者の財産内容や家族関係を調査する人でもありません。

あくまで、公正証書遺言の作成手続に立ち会い、遺言者の真意と手続の適正を確認する立場です。

証人に資格は必要ない

公正証書遺言の証人になるために、弁護士、司法書士、行政書士などの資格が必ず必要というわけではありません。

証人欠格事由に該当しない人であれば、知人や友人に証人を依頼することも可能です。

ただし、証人は遺言内容を知る立場になります。

そのため、単に「頼みやすい人」ではなく、信頼できる人、秘密を守れる人、相続人と利害関係がない人を選ぶことが重要です。

また、公正証書遺言は相続開始後に争いになることもあります。

証人として立ち会った人が、後日、作成当時の状況について説明を求められる可能性もあります。

証人を選ぶときは、責任を理解して協力してくれる人を選びましょう。

証人になれない人

公正証書遺言の証人には、なることができない人が法律で定められています。

主な証人欠格者は、次のとおりです。

未成年者

推定相続人

受遺者

推定相続人の配偶者

推定相続人の直系血族

受遺者の配偶者

受遺者の直系血族

公証人の配偶者

公証人の四親等内の親族

公証人の書記

公証人の使用人

これらの人が証人として立ち会うと、公正証書遺言の有効性が問題になる可能性があります。

特に注意が必要なのは、親族です。

親族だから信頼できると思って証人に頼んでも、推定相続人やその配偶者・直系血族にあたる場合は、証人になれません。

証人に適している人

公正証書遺言の証人に適しているのは、次のような人です。

遺言者や相続人と利害関係がない人

遺言内容を秘密にできる人

公証役場に同行できる人

作成当日の流れを理解できる人

本人確認書類を準備できる人

相続開始後に必要な説明を求められても対応できる人

冷静に手続へ立ち会える人

証人には特別な資格は不要ですが、遺言内容を知る以上、信頼性と秘密保持が重要です。

知人や友人に頼む場合も、遺言内容が知られてよい相手かどうかを慎重に考えましょう。

相続人同士の関係が複雑な場合や、遺言内容に争いが予想される場合は、専門家や公証役場紹介の証人を利用する方が安心です。

証人を見つける方法

知人や友人に依頼する場合

公正証書遺言の証人は、欠格事由に該当しなければ、知人や友人に依頼できます。

知人や友人に依頼するメリットは、費用を抑えやすいことです。

また、遺言者本人が信頼している人に立ち会ってもらえる安心感もあります。

一方で、次のようなデメリットがあります。

遺言内容を知られる

秘密が漏れる可能性がある

相続人との関係に影響する可能性がある

証人欠格事由を正確に判断できないことがある

作成当日に都合を合わせてもらう必要がある

後日トラブルに巻き込まれる可能性がある

知人や友人に頼む場合は、遺言内容を知られても問題ないか、秘密を守れる人か、相続人と利害関係がないかを確認しましょう。

公証役場で紹介してもらう場合

適当な証人が見つからない場合は、公証役場で証人を紹介してもらえることがあります。

日本公証人連合会も、適当な証人が見当たらない場合には、公証役場で紹介することが可能と案内しています。

公証役場で紹介してもらうメリットは、証人欠格事由の心配を減らしやすいことです。

また、遺言者の親族や知人に遺言内容を知られずに済むというメリットもあります。

ただし、紹介を受ける場合には、証人への謝礼や日当が必要になることがあります。

金額や支払方法は公証役場によって異なるため、事前に確認しましょう。

専門家に依頼する場合

行政書士、司法書士、弁護士などの専門家に証人を依頼する方法もあります。

遺言書作成の相談を専門家に依頼している場合、その専門家や事務所関係者が証人を手配してくれることがあります。

専門家に依頼するメリットは、遺言書の内容整理から証人手配、公証役場との調整まで一括して相談しやすいことです。

また、専門家は職務上、秘密保持が求められる立場にあるため、遺言内容を周囲に知られたくない場合にも適しています。

特に、次のような場合は専門家への依頼が有効です。

相続人同士の関係が悪い

遺留分を侵害する可能性がある

前婚の子がいる

内縁の配偶者に遺贈したい

相続人以外に財産を残したい

財産の種類が多い

不動産がある

遺言執行者も指定したい

付言事項を丁寧に作成したい

証人だけでなく、遺言内容そのものに不安がある場合は、専門家に相談しましょう。

証人を依頼するときに伝えること

証人を依頼するときは、次の点を伝えておくとスムーズです。

公正証書遺言の証人として立ち会ってほしいこと

作成日時

作成場所

当日の所要時間

本人確認書類が必要になること

遺言内容を知る可能性があること

秘密を守ってほしいこと

謝礼の有無

欠格事由に該当しないか確認したいこと

特に、知人や友人に頼む場合は、単に「書類に名前を書くだけ」と説明しない方がよいでしょう。

証人は、遺言作成手続に立ち会い、署名押印する重要な役割を持ちます。

その役割を理解してもらったうえで依頼することが大切です。

作成当日に証人がすること

公正証書遺言の作成当日、証人は公証役場などに立ち会います。

一般的な流れは、次のとおりです。

まず、公証人が遺言者と証人の本人確認を行います。

次に、公証人が遺言書の内容を読み聞かせ、または閲覧させます。

遺言者と証人が内容を確認します。

内容に間違いがないことを確認した後、遺言者、証人、公証人が署名押印します。

その後、公正証書遺言の正本や謄本が交付され、原本は公証役場などで保管されます。

証人は、遺言書の内容を作成する人ではありませんが、作成手続に立ち会う重要な存在です。

証人は遺言内容を知ることになる

公正証書遺言の証人は、作成当日に遺言内容を知ることになります。

公証人が遺言内容を読み聞かせ、または閲覧させるため、証人は誰にどの財産を承継させるかを把握します。

そのため、遺言内容を知られたくない相手を証人にするのは避けるべきです。

たとえば、

「子どもに内緒で妻に全財産を相続させたい」

「一部の相続人に多く残すことを親族に知られたくない」

「内縁の配偶者への遺贈を周囲に知られたくない」

という場合は、知人や友人ではなく、公証役場紹介の証人や専門家を利用した方が安心です。

この記事の監修者

行政書士法人クローバー法務事務所代表行政書士 大山悠太

監修者

行政書士法人クローバー法務事務所

代表行政書士

大山悠太

経歴

プロフィール
【経歴】
 
2016年4月:同志社大学法学部法律学科卒業後、新卒で不動産デベロッパーへ入社。入社後はマンション売買営業、人事部で新卒採用業務に従事。
 
2017年11月:行政書士試験合格
 
2019年5月:退職後、リンクス綜合法務行政書士オフィス開業
 
2023年1月:行政書士法人クローバー法務事務所へ法人化
 
【保有資格】
 
TOEIC745
 
宅地建物取引士
 
行政書士(申請取次)
 
ビジネス実務法務検定2級
 
【日本行政書士連合会登録番号】
第19261116号

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