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相続放棄申述書の書き方

初めに

相続放棄をするには、家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出する必要があります。

相続放棄は、相続人同士の話し合いで「自分は何もいらない」と伝えるだけでは成立しません。

裁判所も、相続人が被相続人の権利や義務を一切受け継がない相続放棄をするには、家庭裁判所にその旨の申述をしなければならないと説明しています。

そのため、亡くなった方に借金がある場合や、相続財産を一切受け取りたくない場合には、期限内に相続放棄申述書を作成し、必要書類とともに家庭裁判所へ提出する必要があります。

相続放棄申述書とは

相続放棄申述書とは、相続放棄をする意思を家庭裁判所に伝えるための書類です。

相続放棄をすると、被相続人の預貯金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借金、未払い金、保証債務などのマイナスの財産も一切引き継がないことになります。

民法939条は、相続放棄をした人は、その相続について初めから相続人とならなかったものとみなすと定めています。

ただし、相続放棄は自動的に成立するものではありません。

家庭裁判所に相続放棄申述書を提出し、受理されてはじめて、法律上の相続放棄として扱われます。

相続放棄申述書はどこで入手できるか

相続放棄申述書は、家庭裁判所の窓口で入手できるほか、裁判所のウェブサイトからダウンロードできます。

裁判所のウェブサイトでは、成人用の相続放棄申述書について、PDF形式とWord形式の書式が用意されており、記入例も掲載されています。

また、未成年者が相続放棄をする場合の申述書についても、成人用とは別に、未成年者用の書式と記入例が用意されています。

そのため、相続放棄申述書を準備するときは、まず次の点を確認しましょう。

申述人が成人か未成年者か

法定代理人による申述が必要か

申述先の家庭裁判所はどこか

提出先の家庭裁判所に独自の案内があるか

未成年者が相続放棄する場合には、親権者や特別代理人の問題が生じることがあります。

未成年者と親権者が共同相続人で、未成年者だけが相続放棄する場合などは、利益相反の問題があるため、特別代理人の選任が必要になることがあります。裁判所も、未成年者のみが申述するときなどには、特別代理人の選任が必要になる場合があると案内しています。

相続放棄申述書の提出先

相続放棄申述書の提出先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。

裁判所も、相続放棄の申述先は、被相続人の最後の住所地の家庭裁判所であると案内しています。

ここでいう「最後の住所地」とは、亡くなった方が死亡時に住民登録していた住所です。

最後の住所地は、住民票の除票や戸籍の附票で確認できます。

たとえば、相続人が大阪に住んでいても、被相続人の最後の住所地が東京であれば、原則として東京の管轄家庭裁判所に申述します。

提出先を間違えると手続が遅れることがあるため、事前に確認しましょう。

相続放棄申述書を書く前に確認すべきこと

相続放棄申述書を書く前に、次の点を確認しておきましょう。

被相続人の死亡日

自分が相続人になったことを知った日

相続放棄の期限

被相続人の最後の住所地

被相続人の本籍

自分の本籍と住所

被相続人との続柄

相続財産の内容

借金や負債の有無

遺産を処分していないか

先順位の相続人がいるか

他の相続人が相続放棄しているか

特に重要なのは、相続放棄の期限です。

相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内にしなければならないとされています。裁判所も、民法によりこの3か月以内に申述しなければならないと案内しています。

期限が近い場合は、戸籍がすべて集まっていなくても、まず申述を検討する必要があります。

裁判所も、申述前に入手できない戸籍等がある場合は、申述後に追加提出することでも差し支えないと案内しています。

相続放棄申述書の基本構成

相続放棄申述書には、主に次の内容を記入します。

作成年月日

提出先の家庭裁判所名

申述人の記名押印

添付書類

申述人の本籍・住所・氏名・生年月日・職業

被相続人との関係

法定代理人の情報

被相続人の本籍・最後の住所・氏名・死亡日

相続の開始を知った日

放棄の理由

相続財産の概略

難しい専門用語もありますが、基本的には戸籍、住民票、通帳、請求書などを確認しながら、分かる範囲で正確に記入していきます。

日付・家庭裁判所名・申述人欄の書き方

申述書の上部には、日付、家庭裁判所名、申述人の氏名、押印欄などがあります。

日付には、申述書を作成した年月日を記入します。

家庭裁判所名には、提出先となる家庭裁判所の名称を書きます。

たとえば、被相続人の最後の住所地を管轄するのが大阪家庭裁判所であれば、「大阪家庭裁判所 御中」と記入します。

申述人欄には、相続放棄をする本人の氏名を記入し、押印します。

押印は認印でもよい場合がありますが、家庭裁判所や書式の案内に従って確認しましょう。

添付書類欄の書き方

相続放棄申述書には、添付書類を記載する欄があります。

ここには、申述書と一緒に提出する書類にチェックを入れ、通数を記入します。

主な添付書類は、次のとおりです。

被相続人の住民票除票または戸籍附票

申述人の戸籍謄本

被相続人の死亡の記載がある戸籍謄本等

被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等

先順位者の死亡が分かる戸籍謄本等

法定相続情報一覧図の写し

必要書類は、申述人が配偶者なのか、子なのか、父母なのか、兄弟姉妹なのかによって異なります。

裁判所は、標準的な添付書類について、共通書類として被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍謄本を挙げています。

また、戸籍等に代えて法定相続情報一覧図の写しを提出できる場合があるため、利用できるかどうかは申述する家庭裁判所に確認しましょう。

相続放棄申述書は代筆できるか

相続放棄申述書は、本人が内容を理解したうえで申述することが重要です。

病気、高齢、手の不自由さなどにより本人が記入しにくい場合、署名押印以外の部分を家族などが代筆することは実務上あります。

ただし、本人の意思に反して作成することはできません。

また、本人が内容を理解しないまま署名押印することも避けるべきです。

申述人本人の意思による相続放棄かどうかは、家庭裁判所からの照会書で確認されることがあります。

裁判所の書式ページでも、実際に申述を受けた家庭裁判所では、判断のために書面で照会したり、直接事情を尋ねたりする場合があり、照会や呼出しには必ず応じるよう案内されています。

なお、相続放棄申述書の作成を業務として代理・代行できる専門家は、弁護士または司法書士です。

相続放棄申述書に必要な費用

相続放棄の申述には、家庭裁判所に納める費用が必要です。

裁判所は、相続放棄の申述に必要な費用として、申述人1人につき収入印紙800円分、連絡用の郵便切手を案内しています。

郵便切手の金額や種類は、家庭裁判所によって異なります。

そのため、提出前に申述先の家庭裁判所の案内を確認しましょう。

この記事の監修者

行政書士法人クローバー法務事務所代表行政書士 大山悠太

監修者

行政書士法人クローバー法務事務所

代表行政書士

大山悠太

経歴

プロフィール
【経歴】
 
2016年4月:同志社大学法学部法律学科卒業後、新卒で不動産デベロッパーへ入社。入社後はマンション売買営業、人事部で新卒採用業務に従事。
 
2017年11月:行政書士試験合格
 
2019年5月:退職後、リンクス綜合法務行政書士オフィス開業
 
2023年1月:行政書士法人クローバー法務事務所へ法人化
 
【保有資格】
 
TOEIC745
 
宅地建物取引士
 
行政書士(申請取次)
 
ビジネス実務法務検定2級
 
【日本行政書士連合会登録番号】
第19261116号

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