●運営事務所:行政書士法人クローバー法務事務所
〒556-0011 大阪府大阪市浪速区難波中2丁目10−70なんばパークスタワー19F
南海「南海なんば駅」 直結; 地下鉄「なんば駅」 徒歩3分
被相続人が亡くなると、金融機関が死亡の事実を把握した時点で、預貯金口座は凍結されるのが通常です。
口座が凍結されると、相続人であっても、遺産分割協議が終わるまで自由に預金を引き出すことはできません。
しかし、実際の相続では、遺産分割前の預貯金の払戻し制度があります。
現在、遺産分割前に亡くなった人の預金を引き出す方法は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、家庭裁判所を通さず、金融機関に直接請求する預貯金の仮払い制度です。
2つ目は、家庭裁判所に仮分割の仮処分を申し立てる方法です。
金融機関が口座名義人の死亡を把握すると、通常、その口座は凍結されます。
これは、相続人の一人が勝手に預金を引き出し、他の相続人の権利を害することを防ぐためです。
被相続人の預貯金は、相続財産です。
そのため、原則として、遺産分割協議や遺言書、相続手続に必要な書類を確認したうえで、払い戻しや名義変更が行われます。
法務省も、遺産分割が終了するまでの間は、相続人単独では預貯金債権の払戻しができないことを前提に、遺産分割前の払戻し制度が設けられたと説明しています。
したがって、亡くなった人のキャッシュカードで預金を引き出したり、暗証番号を知っているからといってATMで引き出したりすることは、後で相続人間のトラブルになる可能性があります。
必要な支払いがある場合は、法律上認められた手続を利用することが大切です。
預貯金の仮払い制度とは、遺産分割が終わる前でも、各相続人が一定額まで、単独で金融機関に預貯金の払戻しを請求できる制度です。
この制度は、相続法改正により設けられました。
遺産分割協議がまとまるまでには時間がかかることがあります。
その間、葬儀費用、医療費、生活費、税金、公共料金、不動産管理費など、すぐに支払う必要がある費用が発生することがあります。
そこで、相続人が家庭裁判所の判断を経なくても、一定の範囲で預貯金を払い戻せる制度が認められました。
この制度を使う場合、他の相続人全員の同意は不要です。
ただし、払い戻せる金額には上限があり、後の遺産分割では、その相続人が一部分割により取得したものとして扱われます。民法909条の2後段も、権利行使をした預貯金債権について、その共同相続人が遺産の一部の分割により取得したものとみなすと定めています。
金融機関に直接請求できる金額は、次の計算式で求めます。
預貯金債権額 × 3分の1 × 払戻しを求める相続人の法定相続分
ただし、同一の金融機関ごとに150万円が上限です。
法務省も、金融機関に対する権利行使については、法務省令で定める額である150万円を限度とすると説明しています。
たとえば、被相続人の普通預金が600万円あり、相続人が配偶者と子1人で、配偶者の法定相続分が2分の1の場合を考えます。
この場合、配偶者が単独で請求できる金額は、次のとおりです。
600万円 × 3分の1 × 2分の1 = 100万円
したがって、配偶者は、この金融機関に対して100万円の払戻しを請求できます。
一方、計算上の金額が200万円になっても、同一の金融機関では150万円が上限です。
民法909条の2による仮払い制度には、使い道について明確な限定があるわけではありません。
ただし、この制度は、遺産分割前に必要となる当面の資金需要に対応するための制度です。
実務上、想定される使い道としては、次のようなものがあります。
葬儀費用
火葬費用
納骨費用
被相続人の未払い医療費
入院費
介護施設費用
相続債務の一部弁済
被相続人に扶養されていた相続人の当面の生活費
賃貸住宅の解約費用
公共料金の精算
遺産である不動産の管理費
司法書士・税理士・行政書士などの手続費用
ただし、払戻しを受けた金銭をどのように使ったかは、後の遺産分割協議で問題になることがあります。
他の相続人とのトラブルを避けるためにも、使い道、領収書、支払先、支払日を記録しておきましょう。
金融機関に直接請求する場合、一般的には次のような書類が必要になります。
被相続人の死亡が分かる戸籍謄本
被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍
相続人全員が確認できる戸籍謄本
払戻しを請求する相続人の戸籍謄本
払戻しを請求する相続人の本人確認書類
払戻しを請求する相続人の印鑑登録証明書
実印
金融機関所定の相続手続依頼書
被相続人の通帳・キャッシュカード
法定相続情報一覧図の写し
法定相続情報一覧図がある場合、戸籍一式の代わりに利用できることがあります。
複数の金融機関で手続をする場合は、法定相続情報一覧図を取得しておくと、手続の負担を減らしやすいです。
ただし、必要書類は金融機関によって異なります。
事前に金融機関へ確認しましょう。
金融機関に直接請求する仮払い制度は、一般的に次の流れで進みます。
まず、被相続人の戸籍謄本、相続人の戸籍謄本、本人確認書類、印鑑登録証明書などを集めます。
次に、金融機関の窓口または相続センターに連絡し、預貯金の仮払いを希望することを伝えます。
金融機関は、被相続人の死亡、相続人関係、対象口座、法定相続分、払戻し可能額を確認します。
確認が完了すると、上限額の範囲内で払戻しが行われます。
金融機関によっては、書類提出から払戻しまで一定の時間がかかることがあります。
葬儀費用や税金の支払いなど、期限のある支出がある場合は、早めに手続を始めましょう。
定期預金についても、相続財産である預貯金である以上、仮払い制度の対象として問題になります。
ただし、満期前の中途解約や払戻しの取扱いは、金融機関や預金商品の内容によって異なることがあります。
普通預金と定期預金がある場合、手続のしやすさから、まず普通預金の仮払いを検討することもあります。
定期預金を対象にしたい場合は、満期日、中途解約の可否、利息の取扱い、金融機関の必要書類を確認しましょう。
仮払い制度を利用して預貯金の払戻しを受けた場合、その金額は、最終的な遺産分割で考慮されます。
民法909条の2後段は、権利行使をした預貯金債権について、払戻しを受けた共同相続人が遺産の一部の分割により取得したものとみなすと定めています。
つまり、仮払いを受けた相続人は、すでに遺産の一部を先に取得したものとして扱われます。
たとえば、長男が仮払い制度で100万円を受け取った場合、後の遺産分割では、長男の取得分からその100万円を差し引いて調整します。
仮払いは「もらい得」ではありません。
後で清算されることを前提に利用する制度です。
仮払いを受けた場合は、使い道の記録を必ず残しましょう。
たとえば、葬儀費用に使ったのであれば、葬儀社の請求書や領収書を保管します。
医療費に使ったのであれば、病院の請求書や領収書を残します。
固定資産税を支払ったのであれば、納税通知書や領収証を保管します。
記録を残しておかないと、他の相続人から、「自分のために使ったのではないか」「本当に葬儀費用に使ったのか」と疑われることがあります。
仮払いを利用する場合は、払戻し額、支払先、使途、領収書を一覧にしておくことをおすすめします。
金融機関への直接請求だけでは必要な金額に足りない場合、家庭裁判所に仮分割の仮処分を申し立てる方法があります。
これは、遺産分割の調停または審判が家庭裁判所に係属していることを前提に、家庭裁判所の判断により、遺産に属する特定の預貯金債権の全部または一部を相続人に仮に取得させる手続です。
家事事件手続法200条3項は、遺産分割の審判または調停の申立てがあった場合に、相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁その他の事情により、預貯金債権を行使する必要があると認めるときは、家庭裁判所が特定の預貯金債権の全部または一部を仮に取得させることができると定めています。
この手続は、金融機関への直接請求よりも柔軟に対応できる可能性があります。
ただし、家庭裁判所の判断が必要であり、利用できる場面は限られます。
仮分割仮処分を利用するには、主に次の要件が問題になります。
遺産分割の調停または審判が家庭裁判所に係属していること
相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁など、預貯金を行使する必要性があること
他の共同相続人の利益を害しないこと
家庭裁判所に申立てをすること
家事事件手続法200条3項も、遺産分割の審判または調停の申立てがあることを前提とし、相続財産に属する債務の弁済、相続人の生活費の支弁その他の事情による必要性を要件としています。
そのため、まだ遺産分割調停や審判が申し立てられていない場合は、まず本案となる遺産分割調停または審判を申し立てる必要があります。
仮分割仮処分を申し立てる場合、一般的には次のような資料を準備します。
遺産分割調停または審判の申立書
仮分割仮処分の申立書
被相続人の戸籍謄本等
相続人関係が分かる戸籍謄本等
預貯金口座の残高証明書
通帳の写し
金融機関名・支店名・口座番号が分かる資料
支払いが必要な費用の請求書
葬儀費用の見積書・請求書
医療費・施設費用の請求書
固定資産税納税通知書
相続人の生活状況を示す資料
他の相続人の具体的相続分を害しないことを示す資料
具体的にどの資料が必要になるかは、申立ての理由によって異なります。
生活費のために申し立てる場合と、相続債務の弁済のために申し立てる場合では、必要な資料が変わります。
仮分割仮処分は、一般的に次の流れで進みます。
まず、遺産分割調停または審判を家庭裁判所に申し立てます。
次に、預貯金の仮取得が必要な事情がある場合、仮分割仮処分を申し立てます。
家庭裁判所は、申立書や資料を確認し、必要に応じて当事者の意見を聴きます。
そのうえで、要件を満たすと判断されれば、特定の預貯金債権の全部または一部を、申立人に仮に取得させる決定が出されます。
仮の取得であるため、最終的な遺産分割では、改めてその預貯金も含めて清算されます。
金融機関への直接請求と比べると、時間と手間がかかるため、緊急性や必要性を具体的に説明できるかが重要です。
遺産分割前に預金を引き出したい場合、まずは金融機関への直接請求による仮払い制度を検討するのが一般的です。
この方法は、家庭裁判所を通さずに利用でき、他の相続人全員の同意も不要だからです。
ただし、金額には上限があります。
そのため、仮払い制度で足りる場合は金融機関への直接請求、足りない場合や特別な必要性がある場合は家庭裁判所の仮分割仮処分を検討します。
相続人であっても、遺産分割前に被相続人の預金を自由に引き出せるわけではありません。
金融機関への仮払い制度や家庭裁判所の手続など、法律上認められた方法を利用する必要があります。
死亡後にキャッシュカードで預金を引き出すと、他の相続人との間で使い込みを疑われる可能性があります。
また、相続放棄を検討している場合は、単純承認の問題が生じることがあります。
民法909条の2による金融機関への直接請求は、一定額の範囲で各共同相続人が単独で行使できる制度です。
ただし、トラブルを避けるためには、可能な範囲で他の相続人に説明しておくことが望ましいです。
行政書士法人クローバー法務事務所
代表行政書士
大山悠太
以下のフォームに必要事項をご記入の上、「送信する」ボタンをクリックしてください。
| 受付時間 | 10:00~18:00 |
|---|
| 定休日 | 年中無休 |
|---|
お電話でもメールでも お気軽にお問合せください。
堺区、中区、東区、西区、南区、北区、美原区
岸和田市、豊中市、池田市、吹田市、泉大津市、高槻市、貝塚市、守口市、枚方市、茨木市、八尾市、泉佐野市、富田林市、寝屋川市、河内長野市、松原市、大東市、和泉市、箕面市、柏原市、羽曳野市、門真市、摂津市、高石市、藤井寺市、東大阪市、泉南市、四條畷市、交野市、大阪狭山市、阪南市
所在地:〒530-0012 大阪市北区芝田2-7-18 LUCID SQUARE UMEDA 3階
電話番号:06-6376-2568
所在地:〒541-0046 大阪市中央区平野町2-1-2 沢の鶴ビル3階
電話番号:06-6226-8091
所在地:〒541-0052 大阪市中央区安土町3-4-10 京阪神安土町ビル3階
電話番号:06-6271-6265
所在地:〒550-0002 大阪市西区江戸堀1-10-8 パシフィックマークス肥後橋5階
電話番号:06-6443-9490
所在地:〒556-0011 大阪市浪速区難波中1-10-4 南海SK難波ビル6階
電話番号:06-6643-9304
所在地:〒530-8201 大阪市北区中之島1丁目3番20号
大阪市総合コールセンター:06-4301-7285
管轄例:北区・西淀川区・淀川区・東淀川区
所在地:〒530-8216 大阪市北区梅田1-2-2-700 大阪駅前第2ビル7階
電話番号:06-4797-2948
管轄例:都島区・旭区・城東区・鶴見区
所在地:〒534-8502 大阪市都島区片町2-2-48 JR京橋駅NKビル4階
電話番号:06-4801-2948
管轄例:福島区・此花区・西区・港区・大正区
所在地:〒552-8505 大阪市港区弁天1-2-2-100 大阪ベイタワー イースト1階
電話番号:06-4395-2948
管轄例:中央区・天王寺区・浪速区・東成区・生野区
所在地:〒556-8670 大阪市浪速区湊町1-4-1 大阪シティエアターミナルビル(OCAT)5階
電話番号:06-4397-2948
管轄例:阿倍野区・住之江区・住吉区・東住吉区・平野区・西成区
所在地:〒545-8533 大阪市阿倍野区旭町1-2-7-702 あべのメディックス7階
電話番号:06-4396-2948
所在地:〒540-8544 大阪市中央区大手前三丁目1番41号 大手前合同庁舎
不動産登記に関する問い合わせ:06-6942-9496
所在地:〒540-8541 大阪市中央区大手前1丁目5番63号 大阪合同庁舎第3号館
電話番号:06-6941-5331
所在地:〒530-8585 大阪市北区南扇町7番13号
電話番号:06-6313-3371
所在地:〒531-0071 大阪市北区中津1丁目5番16号
電話番号:06-6372-7221
所在地:〒540-8557 大阪市中央区大手前1丁目5番63号 大阪合同庁舎第3号館
電話番号:06-6942-1101
所在地:〒542-8586 大阪市中央区谷町7丁目5番23号
電話番号:06-6768-4881
所在地:〒543-8503 大阪市天王寺区堂ヶ芝2丁目11番25号
電話番号:06-6772-1281
所在地:〒556-0011 大阪市浪速区難波中3丁目13番9号
電話番号:06-6632-1131
お電話でのお問合せ・相談予約
<受付時間>
10:00~18:00
※土曜・日曜・祝日は除く
フォームは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください。
〒556-0011
大阪府大阪市浪速区難波中
2-10-70
なんばパークスタワー19階
大阪メトロ御堂筋線「なんば」駅から徒歩3分
南海「難波」駅 直結
なんばパークス
駐車場:近隣コインパーキングあり
10:00~18:00
土日祝 ※メールは24時間、年中無休いつでも可能