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ご家族間での話し合い、情報共有は重要
このような場合、連絡が取れない相続人を無視して、残りの相続人だけで遺産の分け方を決めることはできません。
遺言書がなく、相続人同士の話し合いによって遺産を分ける場合、遺産分割協議には相続人全員が関与する必要があります。国税庁も、遺言書がない場合には相続人全員で遺産分割について協議することを案内しています。
ただし、連絡が取れない相続人がいるのは相続に関する手続きが何もできないという意味ではありません。
また、相続人の所在そのものがわからない場合と、住所はわかっているものの話し合いに応じてもらえない場合では、対応方法が異なります。
相続人が複数いる場合、遺言書などによって具体的な承継方法が決まっていなければ、相続人全員で遺産の分け方を話し合うことになります。これが「遺産分割協議」です。
たとえば、父が亡くなり、長男、長女、次男の3人が相続人だったとします。
長男と長女は連絡を取り合っているものの、次男とは20年以上交流がなく、現在の電話番号もわからないとします。
この場合、次男とは連絡が取れないから、長男と長女だけで半分ずつ相続しようと決めることはできません。
遺産分割協議を成立させるためには、原則として相続人全員が協議に参加し、その内容について合意する必要があります。
したがって、まずは連絡が取れない相続人の所在を確認することから始めます。
長年交流がなく、電話番号/住所/転居先がわからないというケースです。
この場合には、まず戸籍などを調査して現在の所在を確認します。
現在住んでいる場所はわかっているものの、手紙を送っても返事がない/電話に出ない/遺産分割の話を無視しているという場合です。
このケースは、単純な「行方不明」とは異なります。
不在者財産管理人は、裁判所が説明しているとおり、従来の住所や居所を離れ、容易に戻る見込みがない「不在者」の財産を管理するための制度です。単に遺産分割協議への参加を拒否している人について当然に利用できる制度ではありません。
住所が判明しているのに協議へ応じない場合には、状況によって遺産分割調停など別の方法を検討することになります。
何年も所在がわからず、現在生きているのかどうかもわからないという状態もあります。
この場合には、不在者財産管理人に加えて、一定の要件を満たせば「失踪宣告」という制度を検討することがあります。
このように、まずは相続人がどのような状態なのかを確認することが重要です。
相続人の住所がわからない場合には、まず戸籍関係の資料を調査します。
相続手続きでは、最初に被相続人の戸籍を収集し、「誰が法定相続人なのか」を確定させる必要があります。
国税庁も、相続手続きの準備として、被相続人と相続人の戸籍を取り寄せて相続人を確認することを案内しています。
相続人が判明したものの現在の住所がわからない場合には、戸籍の附票などから住所を確認していくことがあります。
戸籍の附票には、その戸籍が作られて以降の住所の履歴が記録されているため、相続人の所在を調査する際の重要な資料となります。
戸籍の附票などから住所を確認できた場合には、まず手紙などによって連絡を取ります。
長期間交流がなかった相続人に対して、突然、「この遺産分割協議書に署名してください」と完成済みの書類だけを送り付けると、相手が警戒してしまう可能性があります。
最初の連絡では、
誰が亡くなったのか
相続人調査の結果、相手も相続人であることがわかったこと
遺産分割について話し合う必要があること
今後の連絡方法を確認したいこと
などを説明するとよいでしょう。
相続人同士が長期間疎遠だった場合には、「なぜ突然自分に連絡が来たのか」がわかるように説明することが大切です。
戸籍や住所を調査しても、
住民登録上の住所に住んでいない
長期間所在がわからない
どこへ転居したのかわからない
生存している可能性はあるものの連絡方法がない
といったケースがあります。
このような場合に検討される制度の一つが「不在者財産管理人」です。
不在者財産管理人とは、従来の住所や居所を離れ、容易に戻る見込みがない人に財産管理人がいない場合に、家庭裁判所が選任する財産管理人です。
たとえば、父が死亡して、長男・長女・次男が相続人の場合、次男が10年以上前から行方不明し、現在どこに住んでいるかわからないという場合です。
次男を無視して長男と長女だけで遺産分割することはできません。
そこで、一定の場合には家庭裁判所へ不在者財産管理人の選任を申し立てます。
不在者財産管理人は、「今回の遺産分割協議書に署名してもらうためだけの代理人」ではありません。
不在者本人の財産を管理する立場にあります。
そのため、遺産分割協議が終了しただけで当然に職務が終わるとは限らず、不在者本人が現れるなど、管理を終了できる事情が生じるまで管理が続く場合があります。
また、管理人には家庭裁判所の判断によって報酬が認められることがあり、財産が不足する可能性がある場合には申立人へ予納金の納付が求められることもあります。
「一度だけ署名してもらえばよい」という制度ではない点を理解しておきましょう。
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