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未支給年金を請求するための手続きの流れ

初めに

ご家族間での話し合い、情報共有は重要

年金を受給していた人が亡くなり、まだ受け取っていない年金が残っている場合には、一定の要件を満たす遺族が「未支給年金」として請求できます。

ただし、亡くなった人の相続財産を相続する手続きとは異なり、請求できる人の範囲や順位、生計同一関係など、年金制度独自の要件を確認しなければなりません。

現在は、未支給年金を請求する場合、「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」を使用して手続きを行います。

STEP1|自分が未支給年金を請求できるか確認する

最初に、自分が未支給年金を受け取れる遺族に該当するかを確認します。未支給年金は、亡くなった人の法定相続人であれば誰でも請求できるわけではありません。原則として、亡くなった当時にその人と生計を同じくしていた遺族のうち、法律で定められた順位が上の人が請求します。

請求順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹、その他の3親等内の親族の順です。先順位の人がいる場合には、後順位の人は原則として請求できません。また、同じ順位の人が複数いる場合には、そのうち一人が代表して請求することになります。

特に、亡くなった人と別居していた場合には、「生計を同じくしていた」と認められるかどうかが重要になります。生活費の援助、定期的な訪問、日常生活上の関係などによって判断されるため、判断が難しい場合には、年金事務所やねんきんダイヤルで事前に確認しておくとよいでしょう。

STEP2|死亡の届出と未支給年金の有無を確認する

年金を受給している人が亡くなると、その人自身の年金受給権はなくなります。そのため、原則として日本年金機構へ死亡の届出が必要です。

ただし、未支給年金を請求できる遺族がいる場合には、現在は「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」を提出することで、死亡の届出と未支給年金の請求をあわせて行います。そのため、「先に支給停止の届出をして、その後に別の請求書を提出する」という二段階の手続きになるとは限りません。

一方、未支給年金を受け取れる遺族がいない場合や、そもそも未払いの年金が発生していない場合には、「年金受給権者死亡届(報告書)」のみを提出します。なお、亡くなった人のマイナンバーが日本年金機構に収録されている場合には、死亡届については原則として省略できます。

死亡の届出が遅れると、亡くなった後の期間について年金が振り込まれ、後から返還を求められる場合があります。そのため、死亡後はできるだけ早く、未支給年金の有無と必要な手続きを確認することが大切です。

STEP3|請求に必要な書類を準備する

未支給年金を請求するときは、「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」とあわせて、請求者の資格や振込先などを確認するための書類を提出します。

一般的には、亡くなった人の年金証書、請求者のマイナンバーを確認できる書類、亡くなった人と請求者との続柄を確認できる戸籍謄抄本または法定相続情報一覧図の写し、生計同一関係を確認するための住民票関係書類、未支給年金の振込先となる請求者名義の預貯金口座を確認できる書類などが必要になります。

ただし、すべての人が同じ書類を提出するわけではありません。また、公金受取口座を利用する場合には、原則として通帳の写しなどを省略できる場合があります。

戸籍謄本や住民票を提出する場合には、亡くなった日より後に交付されたものを使用します。亡くなった人と請求者が住民票上同じ住所でなかった場合には、生計同一関係に関する申立書などの追加書類が必要になることがあります。

STEP4|別居していた場合は生計同一関係を確認する資料を準備する

未支給年金では、亡くなった人と請求者が同じ住所で暮らしていたかどうかだけでなく、実際に生計を同じくしていたかが重要になります。そのため、住民票上の住所が異なっていた場合には、通常の戸籍や住民票だけでは請求資格を確認できないことがあります。

この場合には、「生計同一関係に関する申立書」を提出し、亡くなった人との生活関係を説明します。状況によっては、仕送りの記録、公共料金の支払い、健康保険上の扶養関係、定期的な訪問や生活費負担を確認できる資料などを求められることもあります。

STEP5|請求書と必要書類を提出する

書類がそろったら、日本年金機構へ未支給年金の請求を行います。現在は、年金事務所へ郵送で提出する方法のほか、予約したうえで年金事務所や街角の年金相談センターで対面手続きを行うこともできます。また、所定の方法によるe-Govでの電子申請にも対応しています。

窓口で手続きをする場合には、本人確認書類やマイナンバーカードなどの原本を提示する必要があります。

郵送の場合には、マイナンバーカードなどについて所定のコピーを添付します。書類に不足や記載漏れがあると追加提出を求められることがあるため、特に戸籍関係が複雑な場合や別居していた場合には、提出前に必要書類を確認しておくとよいでしょう。

また、亡くなった人が共済年金を受給していた場合には、年金の種類によって提出先が日本年金機構ではなく共済組合になることがあります。複数の年金を受給していたケースもあるため、年金証書や振込通知書などから、どの制度の年金を受け取っていたのかを確認しておくことが大切です。

STEP7|未支給年金には5年の時効があるため早めに請求する

未支給年金を請求できる権利には時効があります。原則として、亡くなった受給権者の年金について、その支払期月の翌月の初日から5年を経過すると、未支給年金を受け取る権利は時効によって消滅します。

実際には死亡直後から戸籍の取得や葬儀、相続手続きなど多くの手続きが重なるため、未支給年金の請求を後回しにしてしまうことがあります。

しかし、時間が経過すると、生計同一関係を確認する資料を準備しにくくなる場合もあります。5年という時効ぎりぎりまで待つのではなく、請求資格を確認できた段階で早めに手続きを進めることが大切です。

この記事の監修者

行政書士法人クローバー法務事務所代表行政書士 大山悠太

監修者

行政書士法人クローバー法務事務所

代表行政書士

大山悠太

経歴

プロフィール
【経歴】
 
2016年4月:同志社大学法学部法律学科卒業後、新卒で不動産デベロッパーへ入社。入社後はマンション売買営業、人事部で新卒採用業務に従事。
 
2017年11月:行政書士試験合格
 
2019年5月:退職後、リンクス綜合法務行政書士オフィス開業
 
2023年1月:行政書士法人クローバー法務事務所へ法人化
 
【保有資格】
 
TOEIC745
 
宅地建物取引士
 
行政書士(申請取次)
 
ビジネス実務法務検定2級
 
【日本行政書士連合会登録番号】
第19261116号

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