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養子縁組をしていない連れ子は、再婚したという事実だけでは自分の法定相続人にはなりません。一方、養子縁組をしている場合には、連れ子は法律上の「子」となり、第1順位の法定相続人になります。そのため、遺産を取得させたくない場合でも、単に「連れ子だから相続させない」と扱うことはできません。
再婚相手の連れ子と養子縁組をしていない場合、その連れ子は自分の法定相続人ではありません。そのため、自分から連れ子へ遺産を取得させる遺言を作成している場合などを除けば、連れ子の直接の相続権をなくすために特別な手続きをする必要はありません。
ただし、「連れ子に最終的に財産が渡らないようにしたい」という意味であれば、もう少し先まで考える必要があります。たとえば自分の財産の大部分を再婚相手である配偶者が相続し、その後その配偶者が亡くなれば、今度は配偶者自身の子である連れ子が、その財産を相続する可能性があります。
つまり、養子縁組していない連れ子に自分から直接相続されることはなくても、配偶者を経由して将来的に財産が承継されることはあります。
最終的に誰へ財産を残したいのかまで希望がある場合には、遺言などを含めた承継方法を検討することが重要です。
連れ子と普通養子縁組をしている場合、その連れ子は法律上、自分の子として相続人になります。養親子関係そのものを解消したいのであれば、「離縁」の手続きが必要です。
離縁が成立すれば、原則として養親子関係が解消され、その後に養親が亡くなっても、元養子は養子であることを理由として法定相続人にはなりません。
なお、再婚相手と離婚しただけでは、連れ子との養子縁組まで自動的に解消されるわけではありません。
協議離縁は、原則として養親と養子の合意によって行います。ただし、養子が15歳未満の場合には、本人ではなく、離縁後にその法定代理人となるべき人と養親との間で協議します。
養親と養子の間で離縁について合意できない場合には、裁判上の離縁が問題になります。民法814条では、①悪意で遺棄された場合、②相手方の生死が3年以上明らかでない場合、③その他縁組を継続し難い重大な事由がある場合に、離縁の訴えを提起できると定めています。
したがって、「相続させたくなくなった」という理由だけで、一方的にいつでも離縁できるわけではありません。
養子縁組そのものは維持したまま、死亡後に連れ子へ財産を取得させたくない場合には、遺言書によって他の相続人や受遺者へ財産を承継させる方法があります。
ただし、これは連れ子の「相続人としての資格をなくす」方法ではありません。養子縁組が続いている限り、連れ子は法律上の子であり、法定相続人のままです。遺言によって実際に取得する財産をゼロにすることと、相続人ではなくなることは別の問題です。
さらに、子である養子には遺留分があります。そのため、全財産をほかの人へ承継させる遺言を残した場合には、連れ子から財産を取得した人に対して遺留分侵害額請求が行われる可能性があります。
遺留分をめぐる紛争を避けたいのであれば、連れ子にも遺留分相当額の財産を確保しておく方法があります。ただし、法律上必ず遺留分相当額を遺言で与えなければならないという意味ではありません。遺言によって取得額をゼロとすること自体は可能であり、その後、本人が遺留分侵害額請求を行うかどうかは別の問題です。
選任された相続財産清算人は、被相続人の預貯金、現金、不動産、有価証券、動産などを調査し、相続財産を適切に管理します。申立人や相続放棄をした親族などが通帳、現金、権利関係書類、建物の鍵などを保管している場合には、必要に応じて清算人へ引き渡すことになります。
相続放棄をした人についても、放棄した時点で相続財産を「現に占有」している場合には、その財産を相続人または相続財産清算人へ引き渡すまで保存義務が残ります。
相続財産に不動産が含まれている場合には、必要に応じて登記上も相続財産法人であることが分かるよう手続を行います。
また、預貯金の管理や財産の保存といった通常の権限の範囲を超えて、不動産や株式を売却する必要がある場合には、家庭裁判所の「権限外行為許可」を得たうえで換価することがあります。
養子となっている連れ子本人も、「自分は財産を受け取らなくてよい」と考えている場合には、相続開始前に遺留分を放棄する方法もあります。
ただし、相続開始前の遺留分放棄は本人同士の約束だけでは足りず、家庭裁判所の許可が必要です。
また、遺留分を放棄しても、その人が法定相続人ではなくなるわけではありません。相続人としての地位は残るため、遺言書がなければ通常どおり相続分を持ちますし、被相続人の債務についても相続の問題が生じます。
したがって、「遺留分を放棄してもらえば連れ子が相続人ではなくなる」という制度ではありません。遺言によって財産をほかの人へ承継させることなどと組み合わせて検討する必要があります。
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大山悠太
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